バガヴァッドギーター

2016年

8月

24日

1.バガヴァッドギーター アルジュナ(戦士)2-3

勇気、本当の強さとは慈悲深さ、不屈の精神

どっちつかずの態度をとってはいけない。プルタの息子、アルジュナよ!それは君に相応しくない。弱気で臆病な態度を捨てて、立ち上がれ!敵を倒すものアルジュナ! 

この詩は「今は感情に流される時ではない。為すべきことをしっかり見据え、自分に課せられたことを果たす時なのだ」といいます。

「悲しみや臆病にとりつかれてはいけない。あなたが今この世で為すべきことだけが、世界から与えられているのだ。自分のすべきことが、まさにあなたの目の前にせまっているのだ。迷ってはいけない。どんな困難であろうと自分が為すべき事をするために、立ち上がれ。前に進め」と。

ヴィーラバッドラアーサナ(戦士のポーズ①)

困難に立ち向かい、勇気と強さを持つ戦士のように、力強く大地を踏みこみ、胸を開き、両手を空高く上に伸ばしてみましょう。

伸ばした背中と、大きく張った胸に深く息を入れ、エネルギーを取り込みましょう。目を閉じ、自分が勇敢な戦士になったイメージをしてください。

体と心が強さでみなぎるはずです。

 

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2016年

8月

25日

2.バガヴァッドギーター アートマン(真我、存在、知)2-20

始まりも終わりもない存在、真実は変わらない、完全な自己受容

「アートマン」は、生まれず、死にもしない。始まりもなければ、終わりもない。変わることのない永遠の存在である。破壊されることなく、常に新しい。たとえこの体が滅ぼされたとしても。

 

変わりゆくものはいつか来て、いつか去る運命です。しかし、変わらないものは、何があっても絶対になくなりません。自分自身の真実ーアートマンは、変わることがない唯一の存在。来ては去るものは、なすがままにしておくことです。(「わかる、知る」ことができる知の源、そして純粋な存在を、経典は「アートマン」と呼ぶ)

シッダーサナ(聖者、達成者のポーズ)

背骨をまっすぐに立てて坐り、片方の足を曲げ、かかとを体の中心につけます。そのかかとの上にもう一方の足のかかとを重ねます。

気持ちが乱れる時、このポーズでしばらく座ってみます。背骨、頭、体を真っ直ぐひとつの線のように整え、目を閉じ、落ち着いて呼吸をします。体がまっすぐになる時、心も考えも真っ直ぐに整えることができます。

呼吸を繰り返し、「私の真実とは何か?アートマンである自分とはどういいうことか?」を聖者になった気持ちで心穏やかに瞑想します。

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2016年

8月

26日

3.バガヴァッドギーター パーパ(不徳)2-33

迷いを捨てる、立ち向かう、受け入れる

しかし、もし君がこの「ダルマ(秩序)」に沿った戦いをしないのだとしたら、自らの為すべき事と、名声を失ううえに、「パーパ(不徳)」を招いてしまうだろう。

 

この詩は「人が自分のやるべき事を拒んだらどうなるか?」ということを伝えています。

人はだれもが、それぞれの「カルマ(行い)」によって為すべき事が定められています。生きている者は消化しなければならないカルマがあり、そこから逃げることはできません。なぜならカルマを消化することが、人間がこの世に生まれてくる理由だからです。もし自分のすべきことから逃げたと思っても、逃げた分の代償を何か別の行いで払わなければなりません。

この詩では、人がやるべき事をしなかった時のデメリットをいいます。

ヴィラバッドラーサナ②(戦士のポーズ②)

足を大地に広げて立ち、胸を張り、腕を遠くに伸ばします。広げられた胸に、大きく息を吸いこみ勇気と強さとエネルギーを取り入れます。

1.足を大きく開いて立ちます。左足を外側に向け、右足のかかとと左足のつま先が直角になるようにします。腕を左右に伸ばします。

2.息を吐きながら、左太腿が床と平行になるまで膝を曲げます。目線は左手の指先を見つめてください。両足で強く地面を踏みしめます。

弱気な心も、悩みも勇敢な戦士のように打ち破り、まっすぐな姿勢で問題に立ち向かいましょう。

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2016年

8月

27日

4.バガヴァッドギーター プラサーダ(世界からの贈り物)2-48

ありのままを受け入れる、執着を手放す、未来を変える

アルジュナよ!Yogaの態度をベースに行いをするのだ。こだわりと執着を捨て去れ。成功や失敗に対しても揺れることなく、物事のありのままを受け入れる広さを持つこと。それがYogaの態度だ。

 

常に「自分がされたら嬉しいことを目の前にいる人に対してすること」を心に留めておきましょう。

目先の利益ではなく、本当に人に喜ばれること、だれかの助けになること、調和のためになること、良心に従った正しいことをすることです。その行いは、あなたの明るい未来を約束します。

ウシュトラーサナ(ラクダのポーズ)

問題に打ちのめされ、弱気になり、自信を失ってうつむいているなら、あえて堂々と世界に胸をはり、気持ちが明るくなるポーズをしてみましょう。喉を伸ばし、胸を開き、悠長なラクダのようにゆったりと問題に対して漂々としてみましょう。

膝を広げ、膝立ちになります。両手で腰を支えながら、体を後ろに反らせます。余裕があれば後ろの足に両手をおきます。胸を空高くあげ、気持ちよく開きます。

ポーズをとりながら、気持ちよく、のんびり呼吸することできっと心にゆとりができるはず。

「どんな困難もいつか必ず終わる。どんなことも経験してしまえば過去となり、経験は必ず自分の学びとなり、成長になる。」困難こそ、Yogaを深めるチャンス。胸を開いてチャンスを受け止め、明るく立ち向かっていきましょう。

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2016年

8月

28日

5.バガヴァッドギーター カルマヨーガ(行いのヨーガ)2-50

思慮深い、丁寧な暮らし、生き方のYoga

どんな状況にも振り回されない人は、この世で「プンニャ(徳)」と「パーパ(不徳)」というカルマの結果を捨て去る。Yogaとは、己の行いにおいて思慮深くあること。

カルマヨーガは心を浄化する最も効果的な方法。やり方は行いに対する心構えを2つポイントで変えることです。

ひとつは自分の行いを世界に調和させるようにすること。与えられた役目を、果たすこと。やるべきことをし、周りから望まれていることを怯まず、実行することが、普段の行いを調和に貢献にするカルマに変えることができます。自然の法則に逆らわず、良心に従い、だれかの笑顔のために、相手の助けとなるために全体の調和のためを考えてすることが、すべての行いを浄化のYogaにします。

2つ目のポイントはカルマの結果をありがたく受け止める事です。自分に定められた運命を抵抗せずに、責任をもって引き受ける素直で謙虚な姿勢が心の浄化のYogaとなります。行いと結果を繋ぐ自然界の法-カルマの法則の存在を知っておくことが、知性を磨きます。

ターダーサナ(まっすぐに大地に立つポーズ)

意識的にまっすぐ立ってみましょう。足の裏全体で大地を感じ、エネルギーを上へあげるように胸を開き、背骨から頭の頂点までスッと線を引いたように整えます。あたりまえのことを、きちんとできるように。「カルマヨーガ」でやるべき事を為し遂げ、運命を引き受け、周りと調和できるように。そのためにまずは「立つ」ということからきちんと正してみましょう。

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2016年

8月

29日

6.バガヴァッドギーター ラーガ・ドヴェーシャ(好き・嫌い)2-53

惑わない、流されない、振り回されない

君が、「ヴェーダ(聖典)」の前半部分の言葉に惑わされなくなった時、心は揺らぐことなく、静かになり、「アートマン(存在、知の源)」にしっかり定まる。君が自分自身の真実を知った時、Yogaの目的は達成されるだろう。

人は多くの事を望むけれど、本当に欲しいものは何か?それが解らず、目先の欲望に翻弄され、迷い、揺れ動きます。

何が本当に欲しいのか?達成すべきことは何か?この見極めが迷いない生き方には必要です。

物や人にフラフラと誘惑されたり、影響されたりしていませんか?カードは、今、戸惑いと迷いを捨て、あなたが本当に欲しいものを見極め、生きる方向をひとつに定める時だと告げています。流行や周りの人々に流されず、本物に向かいなさいと、いっているのです。

スカーサナ(寛ぎの瞑想ポーズ)

「スカ」とは、快適で寛いでいること。このポーズは楽に、快適に座ることができる瞑想のポーズのひとつ。いわゆる、「胡坐あぐら」に近いポーズです。床に腰をしっかり降ろし、どちらか一方の膝を体の中心に向かって折ります。続けてもう一方の足も内に向かって折り曲げます。床に座る時、私たちがごく自然におこなっているポーズです。

心が迷い、ラーガ・ドウェーシャに振り回されそうな時、このポーズで心地よく座り、自分と向き合う豊かな時間、本当の贅沢を味わう時間を持ちましょう。

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2016年

8月

30日

7.バガヴァッドギーター ダルマ(調和)2-64

欲望からの解放、全体世界との調和、静寂の中の強さ

「ラーガドウェーシャ(好き・嫌い)」の捕らわれから自由になり、感覚を惹きつけるようなものからものへと動き回る心を、自らの意思に収めることによって、人は自分の心を扱う者となる。自分の心を扱う事ができる人のみが、心の静寂を得るのだ。

私たちは様々な思いや感情に動かされ、行いをしています。なにげなくする普段の行いも、突き詰めてみれば「好き・嫌い」という2つのシンプルな思いが原因です。『バガヴァッドギーター』では、この2つの感情を「ラーガ(好き)」、「ドーシャ(嫌い)」といいます。今日からは、感情や衝動に囚われず、何が調和か?を考えて行いをしましょう。感情よりも「するべきことは何か?」を守り、自分を汚さないようにすることが、気高く自分を守るための生きるYogaになります。

ナディーシュッディ(心を鎮める浄化の呼吸法)

楽な姿勢で背中を伸ばして座ります。右手の人差し指と中指を折り曲げ「ヴィシュヌムドラ」という印を結びます。親指で右の鼻を閉じ、左から気持ちよく息を吸いこみます。肺が満ちたら、薬指で左の鼻も閉じます。少し息を保持し、心地よいところで右から息をゆっくり吐きます。薬指で左の鼻を閉じたまま、今度は右から息を吸います。充分吸い込んだら薬指、親指で両鼻を閉じ、息を保持。ゆっくりと左から息を吐きます。左右交互にゆったりと呼吸をすることで、神経、気の通り道が浄化されます。欲望に振り回されそうな時、流されそうな時、少しだけ座ってこの浄化呼吸法をします。心が不思議に落ち着き、自分自身にしっかり足をつけている感覚を取り戻すことができます。

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2016年

8月

31日

8.バガヴァッドギーター ブランマン(普遍の存在)2‐72

変わりゆく世界、変わらぬ真実、自分への誇り

アルジュナよ。これが「ブランマン(普遍の存在)」に定まると意味である。ブランマンにたどり着いた人に迷いはない。たとえ、この命が終わる時であっても、ブランマンに留まることで、その人はブランマンそのものになる。

聖典は、私たちの真実とは「アートマン(真我、存在、知)」であり、「ブランマン(普遍の存在)」であるといいます。それは始まりもなく、終わりもない、永遠で純粋なる存在と知の源。
誰かに言われなくても「私がいる」ということ。「世界は私がいるから、知られている」生まれた時から私たちは確信しています。自分とは純粋な存在であり、意識の源アートマン、それはまた世界を存在させるブランマンである、という真実の証です。世界と自分、別れて見える2つは、ひとつの真実だと聖典は告げます。真実を知り、自分と世界をひとつに繋げることが究極のYogaの目的です。私とは何者か?世界とは何か?その答えがアートマンであり、ブランマンです。

シャバアーサナ(屍のポーズ)

心が迷う時、自分を信じられない時、考えが惑ったり、焦ったりしてしまう時、私たちの真実を見る目は曇ってしまいます。そんな時は、一度すべての動きを振り出しに戻す「シャヴァーサナ」で完全に心と体を休め、エネルギーチャージしましょう。

背中、お尻、腰を大地につけ、両手両足を軽く広げて横たえます。脇にボールひとつ分程の空間をあけ、両足も付け根からリラックスさせます。ゆっくり目を閉じ、瞼と眼球の奥の力を抜きます。足の指先から、ふくらはぎ、腿、お尻、腰、背、肩、お腹、胸、首、顔、頭の順に各パーツを完全にリラックスさせます。頭の中心も楽にして、しばらく横になります。体の中心で息を感じ、エネルギーを通しましょう。自分自身にリラックスしてください。急ぐことはありません。今のままで完全であり、何かを変える必要もないあなたの真実を、このポーズで取り戻しましょう。

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2016年

9月

01日

9.バガヴァッドギーター モークシャ(自由)3-11

自然との調和、心の浄化、自由と悟り

君が儀式によって「デーヴァー(神々)」を讃える時、同じ様にデーヴァーたちも、君を讃えている。君と自然の神々はお互いに讃えあうことで、どちらも最高のゴール=「モークシャ(悟り・自由)」に至るのだ。

神々と人はお互いに祈り、讃えあうことで心を磨き合っているように、私たちも自然を讃え祈ることで心を磨くことができます。きれいに磨かれ、浄化された鏡のように澄んだ心と冴えた目で改めて自分と自然をみれば、真実がありありと見えてきます。

スーリヤナマスカーラ(太陽礼拝のポーズ)

様々なやり方がありますが、最も基本になる太陽礼拝の12の法則に沿った祈りのポーズとしての形をマスターしてみましょう。

1.東を向いてまっすぐ立ち、息を吐きながら合掌。(ターダサナ)2.両手をまっすぐ天に向かって伸ばし、息を吸い込み胸の中心を太陽に向かって反らせます。3.吐く息で、背骨を伸ばしながら腰から半分に体を曲げ、前屈します。4.両手を床につき、右足を後ろに一歩出します。5.左足を右足に揃えるように後ろに引きましょう。6.脇をしめながら、膝、胸、額か顎を床につけます。7.吸う息で体を前に伸ばし、胸を反らせます。8.腰を高く上げ、お尻を頂点とした三角形をつくります。9.右足を前に戻します。10.左足を右足の隣に戻し、脚を揃えましょう。11.背骨を伸ばしながらゆっくり体を起こします。12.息を吐きながら合掌します。

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2016年

9月

02日

10.バガヴァッドギーター カルマ(行い)3-30

恐れを手放す、自然に委ねる、過去・現在・未来の繋がり

「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」である私に、すべての行いを澄んだ心で捧げるのだ。そうすれば、未来に対する心配や期待、不安や混乱はなくなる。だから、君はただ自分の為すべき事を果たし、行いを捧げるようにすればいい。

恐れを手放してください。どんな時もあなたを見守り、育み、導く自然を信頼し、世界に自分を委ねてください。心配は無用です。この世で生きることにおいて、私たちが心配することは何もありません。与えられるものは必要な時に必ず与えられ、必要のないものは去るだけです。自然の法則はいつもあなたと共にあり、成長するチャンスを与えます。

パスチモーッターナーサナ(東を向き、西側を伸ばすポーズ)

深く自分と向き合い、内なる力を高めるポーズです。

聖典では頭が北、脚が南、お腹側が東、背中は西と体の方向を定めています。このポーズは、東に体を折り曲げ、西側の背中と背骨を心地よく伸ばすポーズ。折り曲げた東側のお腹に意識と力が集中します。ポーズを取りながら、深く呼吸を繰り返してください。くるものを拒まずに受け入れる消化と吸収の力が強く沸きあがるのを感じるでしょう。

どんなに難しい状況も越えられないはずはありません。諦めない強さと、困難を受け入れる柔軟さをこのポーズで養いましょう。立ちはだかるハードルを越えることでのみ、私たちは学び、心の広い本当にビッグな人間に成長できるのです。ひとつ困難を乗り越えたその先には、必ず喜びがあなたを待っているでしょう。

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2016年

9月

03日

11.バガヴァッドギーター カーマ(欲望)3-41

意志を鍛える、自己規律、Yogaの力

はじめに、欲望に動かされがちな感覚器官の動きを手の内に収めよ。アルジュナよ、貪欲という<知を奪う罪>を滅ぼすのだ。貪欲さは、真実の理解を妨げる<知を奪う罪>である。

欲望は、人間だけに与えられた力です。動物や虫は望み、願い、叶えることはできません。その能力がないのです。人間は、純度の高い「サットヴァ(純質)」な知性を与えられているから、欲望を持つことができます。もし望みを叶えることができれば、欲望は祝福された力です。しかし、欲望にはもうひとつ、人間を破壊に導くという裏の顔があるのです。

バーラーサナ(子どものポーズ)

欲望が暴れだしそうな時、怒りが爆発しそうな時、子どものポーズで寛いでみましょう。正座をして目を閉じます。静かに上半身を床に倒して、額か頭のてっぺんを床につけます。肩の力を抜いて、両腕を楽に体の横におきます。手の平を上向きにすると、さらに肩首がリラックスします。そのままお腹で大きく深く、ゆっくり呼吸をします。息を吸う時、気持ちよく背中を伸ばします。呼吸によって柔らかくマッサージされているお腹の動きを感じてください。

まるで子どものような元気なエネルギーがチャージされ、忘れていた純粋さを取り戻すことができるでしょう。好きなだけこのポーズで寛いでいるお腹の動きを感じてください。

エネルギーが満ち足りてきたら静かに立ち上がりましょう。素直で無垢な自分の本心を取り戻したとき、いつの間にか心を支配していた欲望や怒りがなくなっていることに気がつくはずです。

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9月

04日

12.バガヴァッドギーター アヴィッニャー(無知)3-43

貪欲という敵、感情の解放、心の浄化

<真実の自分>は、知性より優れている。それを知り、自らの意志に、心をしっかりと定めて、敵を滅ぼせ。アルジュナよ!貪欲さという姿をした敵を理解し、収めるのは、とても難しいものだ。
『ヴェーダ(聖典)』は、自分の本当を知るために人間は生死を繰り返す旅を続けているといいます。人はこの世でいろいろなものを探しているようにみえます。しかし、人間は皆、本当の自分を探しに来ているのです。なぜなら、そこに自分が探し続けているものがあるからです。それが、”永遠の自由”。カルマ、輪廻、自分を自分で認めていない不自由さ、それから自由になることが、自分の真実を知ることで可能になるからです。

カパラバティ(浄化呼吸法)

Yogaには、体と心を浄化するための6つの方法があります。その内のひとつが、浄化呼吸法「カパラバティ」。

安定した座り方で坐り、背骨を伸ばします。鼻から思い切り、短く鋭く、一度にすべての息を吐き出すように「フンッ」と吐きます。きちんと吐けると自然に息が入ってきます。

「ワン(1)、ツー(2)」と心でリズムをとって、ワンで吐く、ツーで吸う、を繰り返します。1秒で、この鋭い吐きと吸いのセットが1回できるようになったら、50回60回70回と、100回連続できるまで数を増やします。できれば100回を3セット、途中で軽く息を保持する「クンバカ」を入れて繰り返してみます。

体の熱をあげ、内側から浄化の力を感じるはずです。体の熱さに対し、心は静かに静まります。怒りや熱い情熱に自分が動かされてしまいそうな時、この浄化法がすぐれた効果を発揮してくれることでしょう。

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9月

05日

13.バガヴァッドギーター マーヤー(可能性を現す力)4-6

現すパワー、不可能を可能にする、クリエイティビティー

私には始まりもなく、終わりもない。すべての生物を生み、育む「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」である。同時に、私は創造の力「プラクリティ」を使って世界を現し、可能性を形にして、自らこの世界に現れたのだ。

『ヴェーダ(聖典)』は、世界は絶対的な存在「ブランマン(普遍の存在)」によって支えられているといいます。ブランマンは、変わらぬ真実として、純粋な存在として、生物の命として世界に広がり満ちているベース。このブランマンから形と動きのある世界を現し、ドラマを展開させ、可能性を形にするパワーがマーヤーです。マーヤーは、”形・名前・機能”をもつあらゆる物質を現し、それらを動かし、世界を巡らせるダイナミックでクリエイティブなパワーです。

ブジャンガサーナ(蛇のポーズ)

「ブジャンガ」とは蛇のこと。蛇は手足もないのにもかかわらず、大地を凄い速さで移動することができます。それは古代からの謎で、なぜ蛇が動けるのか?は現代科学でも解明されていないと言います。この摩訶不思議な力を持つ蛇をインドでは、マーヤーの象徴として多くのお寺で奉っています。蛇のポーズをとることで、内なる力、眠れる可能性を呼び覚ましましょう。

うつ伏せになり、両肩の真下に手を置きます。手を大地で支え、蛇のように体を前に押し出しながら持ち上げます。脇をしめ、首を伸ばし、胸を張ります。肩を下げ、喉の前を伸ばすようにして、気持ちよく開かれた胸で呼吸します。不可能を可能にするクリエイティブな力が沸いてくるでしょう。

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9月

06日

14.バガヴァッドギーター ヴァルナ(グループ)4-13

スピリチュアルな成長、自分を生きる、前向きな努力

人々を4つのタイプに分けるグループは、私によって、創られた。4つのカテゴリーは人々のもつ性質と役割によって別れている。私はそれらを創造したが、私の真実は、創造する”行い手”でなく、永遠に変わらぬ純粋な存在であるのだ。

『ヴェーダ(聖典)』には「ヴァルナ(色)」という言葉があります。ヴァルナは、人間の精神的な成長を目的とした社会システムです。スピリチュアルな成長段階によって、社会的役割を4つのグループに分けます。一つ目「ブラーンマナ」は、聖典を理解し、生きる目的を達成した人達。2つ目「クシャットリヤ」は、法や力で

人々を守ることで自分を高めようとする人々。3つ目「ヴァイシャ」は、社会活動を円滑にするために、ビジネスや商業活動をして、自己の成長を図る人達。4つ目「シュードラ」は、自らの体を使って社会のために働き、それによって精神的な成熟を図り、スピリチュアルに成長することを役目にする人々。

ウールドヴァムカシュヴァーナーサナ(上に顔を向ける犬のポーズ)

どんな時も、世界は私たち一人一人の成長を見守ってくれています。だから私たちはゴールを目指して歩けます。それでも時々、世界の与える課題に打ちのめされそうになったり、歩くことをやめてしまいたいと思う時があります。そんな時は、あえて大きく上を向き、勇気と力をチャージして、やる気を奮い起こしましょう。

うつ伏せになって肩の下に手を置きます。体の前を反らせながら、上半身を持ち上げます。できるだけ、体の前、喉、胸、お腹を開きます。腰を楽にして、深呼吸してください。

新鮮な空気が、体の中で停滞しているウジウジしたエネルギーを追い払ってくれます。晴れやかなきもちでまた一歩前に踏み出していけるでしょう。

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9月

07日

15.バガヴァッドギーター カルター(行い手)4-18

限りない存在、限界を超える、知ること、自由になること

「カルマ(行い)」における「アカルマ(行いの無さ)」、ということの意味を知り、アカルマにカルマがあることを見る者。彼は人々の中でも、真実を知る者であり、為すべき事をすべて為し終えた者、ヨーギーである。

どうか自分を解放し、自由になってください。あなたはすでに、あなた自身であるだけで完璧であり、自由な存在だと『ヴェーダ(聖典)』はいいます。あなたはそんな完璧な本当の自分の姿を、ただ知らずにいるだけです。自分で決めた考えと限界の中で狭く苦しい思いをしているだけです。もっとのびのび生きていいのです。

サーランバ サルヴァーンガーサナ(肩立ちのポーズ)

「サルヴァ」とはすべて、「アンガ」は「体のパーツ」という意味です。「体のすべてのパーツを使ったポーズ」となります。

真実を知るということは、今まで信じてきた考えを逆転させることかもしれません。信じていることが、真実とは限りません。自分に対して信じてきた間違った考えが離れ、真実の見方で本当の姿を見る時、世界のすべてが変わるでしょう。「サルヴァ(体のすべて)」を使うポーズで、逆さになり、ヴィジョンを逆転させてみましょう。大きく変わるきっかけがつかめるはずです。

床に仰向けに寝て、両手を腰にあてます。お腹の中心に力をいれ、足を持ち上げます。さらに腰を持ち上げ、体を真っ直ぐに立てます。両肩の上に体重がのり、首はリラックスします。しばらく呼吸をお腹の底で繰り返しましょう。

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2016年

9月

08日

16.バガヴァッドギーター サッティヤン(真実、存在)4-19

Yogaを達成する賢者、真実に立つ、この世で知るべきただひとつの真実

その人が行うすべての事は、彼自身の欲望や願いから自由である。彼のカルマは、真実の知識という火によって、焼かれている。人は、その人のことを<真のヨーギー、賢者>と呼ぶ。

経典は、この世界はまるで大きなスケールで動くドラマのようだといいます。世界のドラマに私たちは皆、それぞれ役をもち、それにあった体という衣装を着て、名前をもって参加しています。シナリオは全体世界によって決められ、個人の役柄は過去のカルマによって設定されています。世界のドラマでは、どんな生物も大事な役を担っています。どんな人もその人でなければ演じることができない必要な役を任され、どうでもいい役など一切ありません。そして、世界のドラマは、今この瞬間もダイナミックに展開しています。

ウールドゥヴァハスターサナ(手を上にあげるポーズ)

足を揃え背骨を真っ直ぐに伸ばし、大地に立ちます。大きく息を吸い、両腕を空に伸ばします。首を長く伸ばし、肩を弛め、胸を開き、堂々と立ちましょう。大地と空の間にあるこの世界の中で、自分が何者であるかを見極めるために。ここに自分がいるということを思ってみてください。体を真っ直ぐに立てている自分は、特別な体と役を与えられています。大地と空の繋がりの中で巡るドラマを楽しむのです。

自分自身の真実とは、このドラマにありながらも、変わることがない存在サッティヤン。気持ちよく体を伸ばし、大地にしっかり足をつけ、いつでも強く揺らがずに自分自身の真実に真っ直ぐ立ち、真実をみつめてください。

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2016年

9月

09日

17.バガヴァッドギーター ヤグニャ(奉納)4-33

真実の知へエゴを捧げる、カルマの終焉、真摯に祈る委ねること

供物を供え、ものを捧げる奉納よりも、知識による奉納の方が儀式としては優れている。敵を滅ぼす者、アルジュナよ。すべてのカルマは、真実の知識によって終わるのだ。

聖典は、「あなたの真実の姿こそが、あなたが探してきた永遠の幸せの源である。」といいます。私たちの真実は、ものの限界を超えた存在であること。本当の幸せの意味を理解することが「知識の奉納」といわれます。

真実は目に見えません。目には見えないけれど、すべてのものの中に在ります。ものの中に広がりながら、ものではなく、手で掴むことはできないけれど、触れるもののすべてに在るもの、それが聖典が示す真実です。

ターダーサナ②(合掌のポーズ)

自分を知ることは、大きな挑戦です。気持ちをしっかり持ち、自分の中心に立ち、諦めずに続ける事。そして、世界を味方にするために、祈ることも大事です。助けが必要な時、全世界に向って合掌のポーズで祈りましょう。あなたの願いを素直に世界に告げるのです。

背骨を伸ばし、息を吸い、肩の力を抜き、首を長くシッカリと伸ばします。静かに息を吐きながら、両手の平を胸の前でやさしく合わせ、指を伸ばし合掌の形をつくります。

望みを祈りにのせて放てば、風に運ばれるように空を巡り、世界を巡らす法則に届きます。祈りのカルマは必ず結果を生みます。真摯な心で為された祈りは必ず叶えられます。それが真実を告げる『ヴェーダ(聖典)』の教えなのです。

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9月

10日

18.バガヴァッドギーター プラーナヤーマ(呼吸法)4-29

呼吸を捧げる、世界と調和、自分を正す

ある人達は、「アパーナ(吸う息)」を「プラーナ(吐く息)」に捧げる。同じように、プラーナをアパーナに捧げる。彼らは「プラーナヤーマ(呼吸法)」を儀式にし、Yogaに心を捧げる者である。

ヨガを行う前に「サンカルパ」を唱えましょう。

「私は、これからするこの行いを世界に捧げます。私は、行いを心の浄化のためのYogaとして行ないます。どうか受け入れ、見守っていてください。」

ウッジャーイ・プラーナーヤーマ(呼吸法)

ウッジャイとは「打ち克つこと」、ウッジャーイとは「己に打ち克った者」という意味。この呼吸法は、その名の通り自分を律し、自分の敵となる荒れた感情や狭い考えに打ち克つためにあります。特に瞑想をする前にすると効果的です。揺れる心を落ち着かせ、心を収めます。静かで空気の澄んだ場所に姿勢を正して座りましょう。椅子に座っても構いません。唇を軽く閉じ、目を楽にします。鼻から寝息をたてるように、「フゥンー」という微かな音を立てて、できるだけ長く息を吐きます。吐ききったら「スゥッー」と軽く寝息をたてるように気道を閉めながら、息を吸います。

穏やかな音をたてながら、「ゆっくり吐いて、ゆっくり吸う」これで1セット。軽やかな自分の呼吸の音に集中し、10セット程行うと、心が静まり、頭の中がスッキリしてくるのを感じるでしょう。

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2016年

9月

11日

19.バガヴァッドギーター サーンキャ(知識)4-4

無知を断つ知恵、壁を超える、自分を生きる

無知から生まれた疑い。心に根を生やす真実への疑惑を、知恵の刀で断ち、Yogaに生き、戦うのだ。立ち上がれ、アルジュナ!

すべてのYogaの目的は「心の浄化」です。心の浄化は、「無知を断つ」真実の知恵を理解するために為されます。なぜなら、自分の真実を知らないという無知だけが、人をカルマの束縛と輪廻に繋いでいるからです。そこから自由になるには、聖典の告げる真実を知ること。無知を解き、束縛から自由になること。それだけが、人がこの世で生きる本当の目的です。人を解放する真実の教えを「サーンキャ」といいます。

ダヌーラーサナ(弓のポーズ)

目の前に立ちはだかるものがあまりにも大きく、越えられない高い壁があるように思う時、私たちはプレッシャーに押しつぶされ、逃げ出したくなります。しかし、困難を乗り越えることが自分を飛躍的に成長させるといいます。高すぎるかな?と思えるハードルを飛び越えることができたとき、内なる強さと力が確かなものとなり、次のステージが開けるのです。

本当に望む自由と幸せのためには、自分の目の前に敷かれている道をまっすぐに進むしかありません。だれもが自分の道を歩き、それぞれの困難にであり、何とか乗り越える事を繰り返し、成長しているのです。ピンチの時こそあえて胸を開き、前を見据えて、運命に挑むのです。弓のポーズで、うつむき加減の姿勢を開き、体の中心から前向きに進む力を発揮しましょう。ピンと張られた弓のイメージで体を開き、運命の的を貫く鋭い矢を射るイメージです。

うつ伏せになって両脚を折り曲げ、足首を掴みます。息を吸いながら頭と胸を床から離し、高く持ち上げます。両膝もできるだけ高く上げ、体の前側を思い切り伸ばしましょう。弓の形のまま、何度か深く呼吸します。吸う時に胸をさらに前に突き出すようにします。膝もさらに上に持ち上げます。吐きながら、膝、胸、頭の順で床に下ろし、ポーズを解放します。

強く速い矢を放ち、確実にターゲットを得るしなやかな弓になった感覚で、ポーズを楽しみます。困難を、強い態度で迎え撃つための勇気と力が、体を駆け巡るのを感じるでしょう。

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2016年

9月

12日

20.バガヴァッドギーター サーンニャーシー(捨て去る人)5-3

自由の意味、こだわりを捨て去る、自分を受け入れる

すべてを捨て去る生き方を選んだ人は「サンニャーシー(捨て去る人)」は、何も憎まず、何も渇望しない。「好き・嫌い」という相反する思いから自由である。アルジュナよ、サンニャーシーはあらゆる束縛から自由であり、幸せの意味に解き放たれている。

「サンニャーシー」という言葉は、完全に=「サン」手放すこと=「ニャーサ」という意味。完全に手放した人、捨て去る生き方を選んだ人のことです。何を手放すのか?それは、様々なこだわりや思い込みです。「自分はこういう人間だ」という自意識や、「こう他人に扱われるべきである」という他人に対する期待や、好き・嫌いというジャッジメント、失敗・成功や批判・賞賛という評価に心がフラフラ揺れ動くことを手放すのです。

ガルーダーサナ(ワシのポーズ)

心が感情に捕えられ、小さく閉じこもりそうなときは、空をまっすぐに鋭く切って進むワシのような強さと、大空を舞う自由さをこのポーズで感じてみてください。ワシのように力強く羽ばたき、前に進むエネルギーがチャージされ、自由に向かって進んでいく勇気を得ることができるでしょう。

真っ直ぐに大地に立ち、右膝を曲げ、左太腿の上に掛けます。さらに左足を右の脛に絡めます。両腕を大きく広げ、右腕を直角に曲げ、指先を天に伸ばします。右肘と左肘を重ねるように、左腕を下から絡めます。両手を合わせ、指先を伸ばします。視線は前に定めます。息を大きく吸い、背中を伸ばし、吐きながら右足をできるところまで曲げます。

大地から飛び立つ前のワシのように、しっかり腰を垂直に下げながら、下腹に力を貯めるようにします。そのまま大きな呼吸を繰り返し、力が最大限にみなぎったところでポーズを解放します。左脚を右脚の上に絡める反対のパターンも同じように繰り返しましょう。

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2016年

9月

13日

21.バガヴァッドギーター サルヴァ・カルマ・サンニャーシー(すべての行いを手放した人)5-26

世界を楽しむ、真実を知る、自由の意味、幸せの意味

貪欲と怒りから自由であり、心を自分の手の内に収める「サンニャーシー(捨て去る人)」は、この世においても、あの世においても、「ニルヴァーナ(自由)」である。その人は、自分自身の真実を知る者である。

「サルヴァ カルマ サンニャーシー(すべてのカルマから自由な人)」。すべての=「サルヴァ」行いの結果=「カルマ」から自由な人=「サンニャーシー」と言う意味です。自分自身の真実を知ることで完全にカルマから解放された人。この生を生きながら自由を達成した人のことです。

「カルマから自由になる人は、この世でもあの世でも自由」人はこの世界で生きながら自由になることができるとこの詩はいいます。

パリガーサナ(門のポーズ)

本当の自由を味わい、世界と自分を心から楽しんでいる人が、サルヴァ・カルマ・サンニャーシー。怒りや、貪欲、カルマ、あらゆる束縛から自由な人。それは、山に籠らなくても今の生活と役割のまま、毎日の生活にYogaを取り入れることで叶えることができます。

自由へ続くYogaの扉を開け放つために、「門のポーズ」を体で表現してみましょう。新しい習慣を爽やかにスタートさせることができるはずです。

両脚を肩幅くらいに開いて、立てて座ります。左足を真横に伸ばして足の裏を地面につけます。脚をしっかり伸ばして、息を吸い、両手を大きく広げ、背筋を伸ばします。息を吐きながら、体をゆっくり左に傾け、右腕を天に向かって伸ばしましょう。

空を高く見上げながら、右のわき腹の気持ちよい広がりを感じます。左手は手の平を上に向けて左足の上におきます。完成したポーズのまま何度か呼吸します。反対側も同じように伸ばしましょう。無知と混乱が閉じ込められた心の門を今開け放ち、自由へ繋がるYogaの道を歩んでいきましょう。

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2016年

9月

14日

22.バガヴァッドギーター サンニャーサ(放擲、捨て去ること)6-2

瞑想に相応しい質、慈悲深い心、本当の望み

「サンニャーサ(捨て去ること)」が、Yogaに生きることだといわれている。パンドゥの息子アルジュナよ。ものへの囚われを捨て去ることなしにYogaを収める者「ヨーギー」になることはできない。

欲望や忙しさから離れることを、「サンニャーサ」といいます。とても良く=「サン」手放している=「ニャーサ」ということ。自分を穏やかに生きるために必要なものは、実はそんなにありません。まだ手に入れていないもの、憧れのポジション、叶えたい状態への尽きぬ欲望と、手に入れたものへの執着が、私たちの中にある、シンプルで大切なことを奪うのです。本当に大事なことを見失ってしまえば、心は混乱し、「何のために生き、何を求め、そのために今何を自分はすべきか?」肝心なことが解らなくなってしまいます。

トリコーナーサナ(三角のポーズ)

どこか満たされず「何か欲しい」と心がものへの欲求でムズムズするときは、無理に抑えようとせず、バランスをとるポーズで気持ちよく体を伸ばしてみましょう。モヤモヤした気分を変えられるはずです。

体を3点で支えてバランスを取り、ゆったりと天を仰いで、呼吸をすれば、爽快な風が体に流れ込むのを感じるでしょう。体と気持ちのバランスがとれ、心は自由に穏やかに静まります。

脚を肩幅より大きめに開き、おへその下を伸ばしながら、背筋をまっすぐにします。右足のつま先を外側に直角に開きます。両腕を大きく広げ、手の平を下に向けます。息を吸い、背筋をさらに伸ばし、吐きながら、上体をゆっくり右に倒していきます。右の手の平を地面に付け、右の腰、わき腹、腕をできるだけ高く持ち上げます。指先をまっすぐ天に向かって伸ばし、顔を上に向け、手の先を見るように、高く遠くを見るようにします。
ポーズが完成したら、少し微笑むように顔を弛めながら、大きな呼吸をゆったり繰り返します。心のプレッシャーが、吐く息ごとに解放されていくのを感じます。気持ちを楽にして、高まる感情を手放していきましょう。

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2016年

9月

15日

23.バガヴァッドギーター アッビャーサ(繰り返しの練習)6-10

継続する力、自分に寛ぐ、快適な体と心

瞑想をするヨーギーは、常に瞑想の対象と繋がり、心が静まる場所にいるべきである。静寂に佇み、体と心は寛ぎ、何かを追い求め、かき集め、しがみつくことから自由であるべきである。
Yoga瞑想とは、「ひとつの瞑想の対象に心の流れを繋ぎ、心が離れる度に意志の力で元に連れ戻すこと」です。瞑想の正式な定義は「サグナ ブランマ ヴィシャヤ マーナサ ヴャーパーラハ(心の流れを瞑想の対象に定めること)」といいます。

何度も繰り返しの練習をすることを「アッビャーサ」といいます。アッビャーサをするうちに、私たちは必ず自分の心を収めることができるようになります。心を収めることは「自分自身の王となる」といわれます。だれにも影響されず、コントロールされない強さと意志をもち、体と心を本当に大事なことのために使える人が自分自身の王様です。

アルダマッツェーンドラーサナ(半分のマッチェンドラのポーズ)

インドに実在したといわれる聖者”マッツェーンドラ”のポーズです。聖者と言われる人々も、毎日Yogaをし、体と心を浄化し、瞑想をアッビャーサしていました。だれもが聖者として生まれるのではなく、日々の努力ーアッビャーサによって心を収め、聖者になったのです。このポーズで体を深くねじり、体の中心、内臓をマッサージし、背骨を整えましょう。瞑想に相応しい体づくりができるでしょう。

正座で座り、右のお尻を床におとします。左脚を右脚にかけるようにして、右膝の外側に左足をおきます。両足のお尻をしっかりと床につけ、お尻が浮かないようにします。左手を左膝におき、右手を上にあげ、息を吸いながら背筋を伸ばします。

息を吐き、右肘で左膝を押すようにしながら背骨を左にねじります。左手は体を軽く支えるように床に置きます。右手の肘を曲げたまま、左の膝をおして、さらに体をねじります。そのまま深い呼吸を何度か繰り返します。

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9月

16日

24.バガヴァッドギーター ヴァイラーギャ(冷静さ)6-36

Yogaの瞑想、心を収める術、自分の中心に戻る旅

心は常に動き、絶え間なく変化し、何処かへ行こうとする。心が動くのを観たら、必ず心を自分の中心に引き戻すこと。繰り返し引き戻して、心を自分の手の内に収めるべきである。

Yogaの「ヴァイラーギャ」とは、単に落ち着いているということだけではありません。何が欲しいか解らずに、情報や流行に流され、迷い、いろいろなものを追いかけるような落ち着きの無い生き方から離れることを諭す言葉です。

ヴィダーラーサナ(猫のポーズ)

瞑想は自分の心と向き合う行いです。それは思いがけない自分を知るために核心に向かう真の探究です。悟りも、聖者のような慈悲や優しさを持つことも、ヴァイラーギャも、Yogaの深まりも、まるで花が咲くのを待つように、果実が美味しく熟すのを待つように、毎日丁寧に練習を積み、自分を見守ることで、自然に起こるのです。Yogaは自分を大事に育てていくことです。気持ちを押し殺したり、無理に我慢したりすることは、Yogaではありません。本当の自由に続くYogaは、今まで知らなかった自分に出会いながら、自分の真実を探求する可能性に溢れた楽しい旅なのです。

瞑想をする前に、軽く背骨と胸を動かして、体をほぐしてみましょう。体の心地よさは、心の心地よさをもたらしてくれます。呼吸をしながら体を動かすことで、体は中心からほぐれ、自分が開かれていくような気持ちよさを感じることができるでしょう。

四つん這いになって、息を吸い込み、胸を大きく広げながら頭を持ち上げ、天を仰ぎみます。背中を反らせ、お尻を高く持ち上げて、お腹を広げましょう。胸をできるだけ前に張り、気持ちがよいところまで開きます。次に、息を吐きながら背骨の中心を高く持ち上げ、頭を下げ、顎を引きます。さらに息を吐き続け、背中を思いっきり丸めます。肩甲骨の間を大きく開くようにして、背中をさらに高く持ち上げ、背骨のひとつひとつが広がってゆくような感覚を味わいます。

息を吐ききったら、また吸い込んで背骨を反らせましょう。しなやかに体を動かすことで、内側に滑らかなエネルギーが満ちるのを感じます。清々しさに体が喜ぶまで、何度か繰り返しましょう。

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2016年

9月

17日

25.バガヴァッドギーター シャーストラ(聖典の言葉)6-47

心をオープンにする、真っ直ぐな生き方、信頼

Yogaを生きる「ヨーギー」の中でも「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」に繋がる者は世界の事実を受け入れる心を持つ者であり、イーシュヴァラだけに深く瞑想する。彼は、最も優れたヨーギーである。これが私のヴィジョンである。

Yogaの生き方を伝える聖典の言葉を「シャーストラ」といいます。「聖典」は”知識を示すもの”=『ヴェーダ』と呼ばれています。『ヴェーダ』の中に記された詩や文がシャーストラです。聖典に記されたシャーストラの願いはただひとつ。それは、”悩める人を、苦悩や恐怖、苦痛から自由にする”こと。

聖典の教えは、人を自由にするためにあります。自由のために、人間と世界の真実を教えます。そして、真実の教えを理解するために、Yogaという生き方を教えます。

ウッターナーサナ(深い前屈のポーズ)

「ウッターナ」とは、「良く伸ばす」という意味の他、「まっすぐであること、オープンであること、正しくあること」という意味もあります。聖典の教えにオープンでいる心、世界と自分自身の事実を素直に受け止めることのできる広く大きな心をこのポーズで準備しましょう。

真っ直ぐに立ち、息を吸いながら両腕を頭上に上げ合掌します。息を吐きながら、腰から上体を折り曲げます。膝を曲げながら足の外側に手をつきます。手の平全体を床につけ、膝を伸ばします。顎を引き、腹部を太腿に押し付けるようにしてポーズを深めましょう。そのままの姿勢で何度か腹部に感じるような深い呼吸を繰り返します。息を吸いながらゆっくりと体を起こします。

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9月

18日

26.バガヴァッドギーター イーシュヴァラ(世界を維持する存在)7-8

内と外の真実、確かな繋がり、どこまでも明るいYogaの道

私は水の味である。クンティーの息子アルジュナよ。私は、太陽と月の輝きである。『ヴェーダ(聖典)』の「オーム(聖音)」である。空間の音である。そして、私は人間の強さである。

「イーシュ」という言葉は、司る、規律を与える、秩序を守るという意味。「ヴァラ」は、それが常にある状態。2つの言葉が合わさり、世界全体を示すひとつの言葉イーシュヴァラとなるのです。秩序と法で世界を守り、命を生みだし、世界を巡らせる存在。

イーシュヴァラは、今もこの世界のすべてのものの中に広がり、私たちの体・感覚・心に宿り、生命を動かす方法として、すべてを支えています。その生命力溢れる力を感じてみてください。あなたの体の、新しい細胞が生まれ、古い細胞が破壊され消えてゆく創造ー維持ー破壊のリズムの中に、吸い込む息に、吐き出す息に、大気の中に、イーシュヴァラの存在があるのです。

ハラーサナ(鋤のポーズ)

鋤で大地を耕すように、私たちはYogaという自分を磨く道具をもって、自らの可能性の畑を耕し、真実の教えという実を収穫します。教えの実を味わい、教えを自分のものにした時、私たちは長い間探してきた永遠の自由と幸せ「モークシャ(悟り・自由)」を手にし、生きる目的を達成するのです。

鋤のポーズは、私たちの可能性に気がつかせてくれるでしょう。ポーズによって脳を休め、ストレスを解放し、自分であることの心地よさを味わいましょう。Yogaの道は常に快適であることです。

ブランケットを4つにおり、折り目に肩のラインが沿うように横たわります。頭と首は毛布の上ではなく、床に置きます。位置を決めたら、サルヴァンガーサナ(肩だちのポーズ)をとりましょう。そこから息を吐き、脚を付け根からゆっくり頭の向こうの床へ下ろします。胴体を床に対して直角にするようにして、両脚を完全に伸ばした状態を保ちます。足が床についたら、両手で背中を軽く押し、お尻を天高く持ち上げるようにします。あごを引いて、喉を柔らかくして、深く呼吸を続けましょう。心地よさを十分味わったら、静かにポーズを解放し、少しシャヴァアーサナ(屍のポーズ)でお休みします。自分の内側を深く掘り下げるためにも、心も体もこのポーズで芯から寛がせてください。

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2016年

9月

19日

27.バガヴァッドギーター ヴァースデーヴァ(世界を維持する者)7-19

人間に生まれる尊さ、苦悩を知る能力、自由を目指す意思

幾多の生まれ変わりの最後に、人は真実を知る者となる。「ヴァースデーヴァ(世界を維持する者)」が世界のすべてである、と知る者に。彼は私の本質「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」に辿りつく。そのような賢者となることは、とても稀で難しいことだ。

聖典はこの世で得ることが難しいものが、3つあるといいます。

ひとつは、人生で本当に望むことに出会い、そのために生きること。本当にしたい事と、今していることを一致させる知恵とバランスと、賢さ。これを「プルシャールタ(人間の探究)」といいます。
次に、目的を叶えるための正しい方法と、教えを諭してくれるガイドに出会うこと。
そして3つの中で最も難しいのは、「Yogaができる可能性のある人間の体を持って、この世界に生まれてくること」といいます。

パリヴリッタトリコーナーサナ(ねじった三角形のポーズ)

ねじりを加えたバランスのポーズです。ポーズを完成させるのは、最初はとても難しく感じます。しかし、毎日練習を積み重ねることで、体のバランス感覚を掴み、体のねじり具合を調整し、快適にポーズをとることが必ずできるようになります。あなたが練習することで、ポーズは自然にできるようになります。手足を気持ちよく伸ばし、胸を広げ、リラックスしましょう。

大地にまっすぐ立ってから、脚を左右に肩幅より少し広めに開きます。右足を外へ向け、左足のつま先はやや内側に向けます。両脚をまっすぐ肩の高さまで上げ、息を吐きながら上体をねじり、右足へ体を近づけてゆきます。左手を右足の外側の地面につけます。右手を真っ直ぐに天に持ち上げ、顔は右手の方向に、目線は指先へ向けて持ち上げます。お腹の中心から、ねじりを深めながらゆったり呼吸します。少し休んだら、反対側も同じように行います。できるまで諦めず、少しずつ毎日練習を重ねることです。きっと新しい可能性が開けるはずです。

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9月

20日

28.バガヴァッドギーター デーヴァー(神々)7-22

個と全体の繋がり、本当の望みを叶える、すべてがひとつである真実

『ヴェーダ(聖典)』に記された儀式を信頼する者は、それぞれの「デーヴァー(神々)」たちに祈りを捧げ、彼らから望みのものを手に入れようとする。しかし実際、望みのもののすべては、私「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」によって定められ、与えられているのだ。

「デーヴァー」とは、自然界を維持する法則。空、風、水、光、大地、私たちの体、心、太陽、星、月、など自然のすべてにデーヴァーが宿っています。自然界の目に見えるものの後ろにはデーヴァーの働きがあり、神々が連なり合って、ひとつの世界、大きな自然が調和しています。同じように私たちの体も、たくさんのデーヴァーによって維持されています。

パールシュヴァコーナーサナ(立位の片足前屈のポーズ)

思い切り体の側面を伸ばし、気持ちを晴れやかにしてくれるポーズです。普段閉じている部分を開き、限界まで伸ばすことで、体の新しい可能性を感じることができます。私たちの中には、まだまだ自分でも知らない可能性、能力、思いが眠っています。それらを呼び起こし、この生を最大限に生かし、本当の望みに向けて前に進むYogaの道に弾みをつけてくれそうなポーズです。気持ちよく未知なる体の可能性を感じながら、自由への大きな扉を開け放ち、前に力強く進んでいきましょう。

まっすぐ立つ位置をつくってから、両足を左右に大きく開き、右足のつま先を外側に開き、右ひざを直角に曲げます。両手を腰に当て、胸を張ります。息を吐きながら、上半身を右に倒しましょう。右の手の平を地面につけ、左腕を大きく頭の上に持っていきます。左の足先から指先までが、長くしなやかな一直線になるように伸ばします。顔は点を仰ぐように上向きにし、目線も高く持ち上げます。側面の強い伸びを心地よく感じながら、深く大きな呼吸を繰り返しましょう。

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9月

21日

29.バガヴァッドギーター ヴィッニャーナ(直接の知識)7-24

世界の本質、普遍なる真実、幸せであるべき存在

姿形なき存在である「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」の本質を知らず、特定の形をもって現れた「アヴァターラ(化身)」状態の姿だけをみて、”これがイーシュヴァラである”と、真実を知らない者は思っている。彼らは、私の限りない本当の姿を知らない。この世で他に知るべき価値のあるものはないといわれる”普遍の私の真実”を、彼らは知らないのだ。

あなたは自分の本当を知っていますか?自分が何者であるか?何処から来て、何処へ行き、何を求め、なぜこの世界にいるのか?真実は何か?本気で答えを探し始めたら、すべてがストップしてしまうだろうと恐れ、自分の内にしまい込んだまま何の問題もないフリをしてきたのでは?あなたの心の底に消えることなく、今ある謎への答えが『ヴェーダ(聖典)』の告げる「ヴィッニャーナ」です。本当の自分について、人間が知るべき真実をヴィッニャーナといいます。

シールシャーサナ(頭立ちのポーズ)

不可能だと思うことを、超えること。その力と可能性がYogaです。頭で立つポーズは、誰もが初めは不可能だと思います。しかし、毎日地道に練習し、自分が信じ、恐れを手放した時に、このポーズは自然とできるようになっているのです。真実も同じように、毎日瞑想し、真実に心を繋ぎ、世界に自分を開き、疑いを手放した時に自然に自分のものとなっているはずです。Yogaの可能性をますは、このポーズにチャレンジすることで実感してみましょう。自分を信じ、自分を受け入れるようになるはずです。

膝立ちになり、腕組みをして左右の肘を持ちます。その距離を保ったまま肘を床に置き、両手を組み、肘と手で三角形をつくります。手で作った三角形の頂点に頭をおきます。手の平の内側、前方に頭を置き、両手でしっかり頭の後ろを支えます。つま先を立ててお尻をもちあげましょう。そして、ゆっくりお尻を高く上げたまま、両足で顔の方へ歩いてみます。まずはここまで練習します。そのまま歩き続け、足が浮きそうになるところまで近づけます。そこから腹筋に力を入れて、肘と肩で床をしっかり押して、足を床から離してみます。膝を折ったまま、肘と手と頭で床をとらえて、体が逆さまになっていることを慣れるまで、この姿勢を保ちます。安定してきたら、そこからゆっくり膝、足先まで伸ばします。お尻の筋肉を軽く締めて安定する場所でこの姿勢をキープします。

逆さまになることや、後ろに倒れてしまったら?という恐怖心が無くなれば自然にできるようになるポーズです。それでも毎日地道な練習は必要です。Yogaアーサナの王様といわれるこのポーズを達成して、新しい自分の可能性が広がっていく喜びを感じてみてください。

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9月

22日

30.バガヴァッドギーター ブランマー(創造神)8-16

創造の原理、14の世界、新たな展開

人が行ける最高の世界は「ブランマー(創造神)」の世界、「ブランマーローカ」までである。しかし、そこに行きついても、人はまた、再びこの世界に戻ってくるのだ。クンティの息子よ。「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」である私にたどり着く者は、どの世界にも、再び生まれ変わらない。

考えただけでも心が弾むことを開始しましょう。今、自らの可能性をYogaで表現しようとするあなたの背中をブランマー(潜在的な可能性の状態から、色鮮やかな形ある世界を現した力の根源)が力強く押してくれています。安心して身を任せ、結果を世界に委ね、何にでも挑戦してください。

ダンダーサナ(賢者の杖のポーズ)

自分自身の真実を知る者、それが”賢者”と言われる人です。賢者は、ただ多くの知識を持っている事ではありません。自分と世界をどこまで深く知っているか?ということが人の本当の賢さです。真実の理解が深まるほど、その人は自由を味わい、世界を楽しむといいます。そして、苦悩から自由になった人は、今度は他の人を苦悩から解放することに尽くすために生きるのです。理解の深さは、慈悲の深さとなり、その人の態度や行いとして外に表われます。人は知識を深めるほどに強く、優しい人になるのです。賢者は、シンボルとして杖を持ちます。教えを学び、Yogaに生きる生き方を選んだ人間の証として杖を持つのです。

このポーズは、賢者が携える杖のポーズ。背骨と両足をシッカリ伸ばし、大地に座骨を降ろし、世界の真実を見据えます。地面に座り、両足をまっすぐ伸ばします。かかとを身体からできるだけ離すようにして脚を伸ばし、背骨を大地に垂直に立てておきます。腕を地面におろし、指先を前方に向けます。お尻から頭までが杖のように、一直線になるようにしてポーズを維持します。

いずれ賢者が知る真実を知った時、今度はあなたが苦しむだれかのために尽くす存在となるのでしょう。

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9月

23日

31.バガヴァッドギーター ユガ(時代)8-17

時間の限界、瞬間と永遠、あなたの真実

1000年の「ユガ(時代)」が、「ブランマー(創造神)」の昼であり、同じく1000年のユガは、ブランマーの夜である。このことを知る者は、ブランマーの昼と夜を知る。

「ユガ」は、聖典に示されるひとつの時間の単位です。この世界は、4つのユガを永遠に繰り返し続けているといいます。世界が現れたばかりの状態「サッティヤユガ(金の時代)」次に「ドヴァパラユガ(銀の時代)」世界の秩序も、人々の良心も緩み始める。3つ目は「トレータユガ(銅の時代)」人々の心が乱れ始め、世界の法則と秩序が崩れ、生きる目標を達成するのに難しさを覚える時代。最後は今、私たちが生きている「カリユガ(鉄の時代)」法則と秩序が乱れ、人は生きる目的を見失い、生きること自体が困難になる時代。

ジャタラパリヴリッタナーサナ(腹部のねじりのポーズ)

体の中心からねじり、胸や肩を広げることで、解放されている心地よさを感じましょう。本来の自分、アートマンを制限できるものはありません。ただ今が連なる時間の中で、今を生きる自分だけが真実。それがアートマンでありブランマンです。聖典の言葉をポーズをとりながらゆっくりと心の中で繰り返し、自然のリズムに任せて呼吸を繰り返してみてください。

「今だけが永遠、永遠なるものが自分の真実」

内から溢れ出る落ち着きと、安心感、満たされている心地よさを実感してみてください。

仰向けに寝て、両手を広げます。両脚を揃え、腰をしっかり大地に落ちつけながら右手に両足を近づけるように静かに床に落とします。顔を左に向け、左の肩を床につけ、左手を遠くに伸ばす様にして、体のねじりを深めましょう。胸、お腹の両方で大きく、ゆったりと呼吸を繰り返し、寛ぎながら胸や肩を開きましょう。

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9月

24日

32.バガヴァッドギーター プルシャ(本質・実存)8-22

すべてが生まれ戻る場所、広がり満ちる存在、真実を見極める

「プルシャ(本質・実存)」には、限界がない。限りないプルシャは、意志ある者に、理解されるべきである。すべてのものは、プルシャの中にあり、プルシャだけが、すべてのものの中に広がり、満ちている。

「プルシャ」とは、あなたの命の源である「アートマン(真我、存在、知)」を意味するもうひとつの言葉です。それは、世界を支える存在の源である「ブランマン(普遍の存在)」。

Yogaの経典で使われる”絶対的な真実”を示す言葉は3つあります。プルシャ=アートマン=ブランマン。3つの言葉は、ただひとつの「永遠なる存在の真実」を明かす言葉です。

プラサリータパードーッターナーサナ(立って両足を伸ばすポーズ)

「すべての悩みの原因は、本当の事を知らない無知と、無知ゆえに勝手に物事を決めつける”勘違いと思い込み”にある」といいます。

変化する体や心が自分と思い込んでいるため、私たちは体や心に起こる出来事に本気で悩んだりします。しかし、聖典には「あなたは体や心ではない。あなた自身は変化しない真実プルシャ。自分を理解して、小さな悩みや苦悩から自由であるように」というのです。世界を逆さまにみるこのポーズが、あなた自身を見る目を大きくしてくれることでしょう。

タダーサナで立ち、両足を肩幅より大きく開きます。足を並行にして、両手を腰に当てて、息を吸って胸を広げます。息を吐き、胸を開いたまま、股関節から折り曲げるように上半身を前に倒します。胴体が床と平行になってきたら、手を床につきます。肩の真下へ手を置いて、肘を広げます。吸う息で背骨を伸ばし、吐く息で腰、肩を楽にするように深い呼吸を繰り返します。気持ちのよいところで足を内側に寄せ、体をゆっくり起こしましょう。

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2016年

9月

25日

33.バガヴァッドギーター チャンドラローカ(月の世界)8-25

死後たどる2つの道、輪廻からの解放、Yogaの悟り

カルマに徹するヨーギーは、夜を司る神、月が欠ける2週間を司る神、煙の神、太陽が南の道を通る6か月を司る神の迎える場所に行く。そこは「チャンドラローカ(月の世界)」と呼ばれる場所であり、しばらくそこですごした後、ヨーギーはまた、この世界に戻る。

人は死にません。なくなることもありません。エネルギーと物質の関係のように、肉体の状態が変わるだけです。肉になり、土になり、水になり、空気になり、また肉体となるように循環を繰り返す存在です。

人は本当に欲しいものを手に入れるまで、何度でも形を変えて生まれ変わります。体の形を変えながら、同じ人達と何度も出会い、関係の中でお互いに学び合っているのです。永遠の自由に至るまで、けして滅びない存在、それが人間の意味です。

アルダチャンドラーサナ(半月のポーズ)

すべての生き物は、自分が何者か?その答えを知るまで、終わりなく生死を繰り返し続けます。Yogaはその答えを導き出す術です。月を真似るこのポーズで体を伸ばし、Yogaの道を気持ちよく歩くための活力と、月のような静かな心を養いましょう。
足を肩幅より広めに開き右足先を右に向けます。息を吸って左腕をあげ、体を右に倒し、三角のポーズ(トリコナーサナ)をつくります。

そこから左手を左腰に当て、息を吸いながら右膝を曲げ、右脚に体重をのせます。右手をYogaブロックの上にしっかりついて、体を右にさらに倒します。左脚を床から離し、床と平行になるまで持ち上げます。左足のかかとを押し出すように、脚全体を伸ばします。右手で床を押しながら、バランスをとります。反対側も同じ様に繰り返しましょう。

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9月

26日

34.バガヴァッドギーター プラクルティ(可能性、根本原質)9-10

リアルな世界の真実、可能性、クリエイティブなパワー

私に支えられた「プラクルティ(世界を現す可能性と力)」が、世界にある動くもの、動かないものを現している。クンティの息子、アルジュナよ。プラクルティの可能性によって、現れた世界は、今も変わり続けているのだ。

プラクルティとマーヤーは同じひとつの力であり、”不可能を可能にする”クリエイティブな力です。太古の昔に宇宙を現したこの力は、今もすべてのものの中で、ダイナミックに働いています。毎日、新しい命を生み、変化を運び、次々と可能性に形を与え、世界を鮮やかな色に染めているのが、プラクルティです。

ウッティタールダダヌーラーサナ(立位の半弓のポーズ)

Yogaの神であるシヴァ神が踊る時、世界はプラクルティの力でエネルギッシュに動き出すとインドの神話では語り継がれています。このポーズは「立位の半弓」の形をとるポーズとも、「踊るシヴァ神のポーズ」ともいわれ、躍動する力を表現しています。

胸を張り、自分の体に宿るプラクルティを感じてポーズをとります。体が今にも踊りだしそうな程のエネルギーに満たされるでしょう。真っ直ぐにたち両手を腰に置きます。左足に体重を乗せ、右足を後方へ持ち上げます。右手を背中にまわし、右足の足首を掴みます。右足を後ろに引っ張るようにしながら右手が地面と平行になるまで持ち上げます。左手を真正面にまっすぐ伸ばし、手の平を上に向け、手の指で輪をつくり「チンムドラ(知恵の印)」を結びます。

胸をはり、顔をあげ、大きく呼吸して、躍動するエネルギーを感じましょう。左の脚も同じ様に行います。

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2016年

9月

28日

35.バガヴァッドギーター バガヴァーン(全知全能)9-17

全知全能の意味、6つの力、限界を超える

私は世界の父であり、母であり、すべてを維持する者であり、祖父である。私は知られるべきものであり、すべてを浄化する知識であり、聖音オームである。私は、「リク、サーマ、ヤージュル、(アタルヴァ)」という、4つのパーツに分かれた『ヴェーダ(聖典)』によって知られるべき、ただ1つの教えである。

この世に生まれるものには”父と母”という原因が必ずあります。父と母にも2人を生んだ”祖父”という原因があります。同じように知恵という父と、パワーと物質という母から世界は生まれました。世界の父と母を生んだ”祖父”が「ブランマン(普遍の存在)」です。これらから現れた世界の別名が「バガヴァーン」。「バガ」とは6つの力。

1.豊かさ 2.知恵 3.名声 4.統括する力 5.真実 6.公平さ 

この6つを最大のレベルで持ち、自由自在に扱い世界を展開させる存在を、”バガを持つ者”バガヴァーンと呼びます。

バーラドヴァージャーサナ(賢者のポーズ)

バーラドヴァージャとは、自分自身の真実を知り、世界に生きながら完全に自由であったといわれる賢者。賢者の名前のポーズをとり、同じヴィジョンを感じましょう。真実に生きる賢者のように自由に生きることを楽しむために、Yogaはあります。

両脚をまっすぐ前に伸ばし床の上にすわります。右のお尻に体重をのせ、両腕を曲げて両脚を左へ。両足は左腰の外側に、左足首を右の土踏まずにのせます。息を吸って背中を伸ばし、吐きながら体を右へねじります。そのとき左のお尻は床へつけておきます。左手を右膝の下へ入れ、右手は右腰の脇へ。左肩を後へ引き、肩甲骨の間を前に押すようにして、胸を開き、さらに右へねじります。頭を右へ向けて胴体をねじり続けましょう。息を吸いながら背中を伸ばし、息を吐くたびにさらにねじるように、深い呼吸を繰り返します。反対側も同じ様に行います。

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2016年

9月

29日

36.バガヴァッドギーター プンニャ(徳)9-19

自然との調和、心が満たされる行い、カルマの法則

私は世界に熱を与え、水を持つ者。水を運び、大地に水を解き放ち、雨を与える者。私はまた、「プンニャ(徳)」であり、「パーパ(不徳)」である。アルジュナよ。私は世界に現れたすべての名前と形であり、潜在的な可能性である。

プンニャとは、徳の高い行いや調和に満ちた行いの結果のこと。よい行いをすれば、徳の高い、心地よい結果として返ってくるという”カルマの結果”のことです。

ブリクシャアーサナ(木のポーズ)

大地に根ざし、まっすぐに天に向かって伸びる木のように、しっかりYoga的な生活に足をつけ、自由というゴールに向かって真っ直ぐに成長していきましょう。体重を右足にしっかりとのせ、真っ直ぐに立ちます。左足のひざを曲げ、足の裏を右の内腿の付け根につけます。胸をはり、手の平を合わせ合掌。息を吸いながら腕を頭上まで待ちあげます。伸び上がる木のように、堂々と大地から天を目指すように体の軸を伸ばします。左膝を後ろへ引くようにし骨盤を広げ、胸を開きます。目を閉じ、ゆったりと深い呼吸をしながら、内なるバランスに寛ぎ、ポーズを維持します。左足も同じ様に行いましょう。気持ちが穏やかになり、清々しいエネルギーが真っ直ぐ体を通り抜けるはずです。

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2016年

9月

30日

37.バガヴァッドギーター サンサーラ(輪廻・束縛)9-21

輪廻の中心、カルマの原因、Yogaは悲しみの海を越える船

人々は死後、天国のような場所を長い時間楽しみ、「プンニャ(徳)」が尽きたら、再び生死のあるこの世界に戻ってくる。3つの『ヴェーダ(聖典)』の儀式を執り行うことで、限りある欲望を叶えることに夢中な人は、この世界に来ては去り、再び来ては去ることを繰り返す。

何度でも繰り返すこと、終わりのないこと、続いていくことを「サンサーラ」といいます。輪廻やカルマが終わりなく知るだけでなく、ものを追いかけたり、野心をもって状況を操作しようとしたり、他人を変えようとしたり、満足することなく求め続け、苦しみと悲しみにもがき続けることもサンサーラといいます。人を絶望させるのは、苦しみではありません。「終わりなく、苦しみが続いていくこと」、それが人を絶望させるのだといいます。どこかで意志を持って断ち切ろうとしない限り、サンサーラは終りません。

ナーヴァーサナ(船のポーズ)

自由という大海原へと漕ぎ出すYogaの船に乗り、高く帆を上げ、真っ直ぐ進むことをイメージしながらこのポーズをとってみましょう。胸を広げ、バランスをとり、堂々とポーズを維持することで、迷いは去り、清々しい気持ちで前に進む力が沸くでしょう。

両脚をまっすぐ前に伸ばして床の上に座ります。両手を腰の後ろに、指先を両足に向けて置き、床を押して重心を腕にかけます。背中と体の前側を伸ばし、両骨と尾骨の上に座るようにしてバランスをとります。息を吐いて膝を曲げ、両足を床から持ち上げ、ゆっくり両膝を伸ばし、足の指先を目と同じ高さにします。肩甲骨を広げ、腕を床と平行になるよう伸ばし、指先もまっすぐ伸ばしてみます。

大きな海を渡る船になった気持ちで、ゆったり深く滑らかに呼吸してポーズを維持します。

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2016年

10月

01日

38.バガヴァッドギーター シュラッダー(信頼、信念)9-23

祈りの力、目に見えない繋がり、苦悩は能力、困難は祝福

「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」以外の「デーヴァター(神々)」に対して、祈りを捧げる人々は、「シュラッダー(信頼、信念)」を持つ人々である。アルジュナよ。彼らの祈りは最終的にイーシュヴァラに届く。しかし、彼らのシュラッダーは無知がベースにある。

”見えない力に委ねること”この信頼をシュラッダーといいます。自然界にある秩序と法の存在を理解し、シュラッダーを持つ時、人は祈りによって見えない自然の法たちを自分の味方につけることができます。自然界は光を司る法、重力、風、熱、時間と空間の法則など、たくさんの法則が連なり、関わりあってひとつの世界を調和の元に廻しています。

スプタヴィーラーサナ(仰向けの英雄のポーズ)

行き詰った時や困難に打ちのめされそうな時は、だれにでもあります。そんな時、このポーズで仰向けになって空を仰ぎ、英雄になった気持ちで、小さい悩みをしばらく放り投げてしまいましょう。胸を開いて吐く息でモヤモヤした気持ちを外に吐き出し、フレッシュな空気を胸一杯に吸い込みます。すっきりと気持が楽になり、お腹の底から強いエネルギーが沸いてくるはずです。

正座になり、かかとの間にお尻を落とすヴィーラーサナ(割座)で坐ります。手を後ろについて、肘も床につけ、体を床に倒していきます。背中をしっかり大地につけるようにし、腰も浮かないように床に落とします。膝をできるだけ近づけます。体の前を伸ばし、ゆっくりと深く呼吸します。

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2016年

10月

02日

39.バガヴァッドギーター ヴィシュヌ(秩序と維持に法則、すべてに広がる存在)10-21

繋がる、世界の闇と輝き、自分を磨く

12の太陽を司るアーディッティヤー神々の中で、私は「ヴィシュヌ」である。空に輝くものの中で、私は太陽の光である。マルタ神々のなかでは、私はマリーチである。9つの星の中で私は月である。

「ヴィシュヌ」は、サンスクリット語の「ヴィシ」=”遍く広がる”という語源からなる、世界を調和させる神。創造ー維持ー破壊のサイクルで巡る宇宙の、維持の法則を司ります。その調和の法則は、大きな宇宙全体を包み込み、一粒の粒子、原子の中にも行き渡り、動くもの、動かぬものの内と外に広がります。海や空や星、自然界のすべてを循環させ、大気を動かし、私たちの体の血液を運び、空気を流す命の中に宿るものがヴィシュヌです。ヴィシュヌは、今あなたの体の中で息をし、時を刻んでいます。あなたの動きの中に、あなたの立つ場所にあり、どんな場所にも空気のように微かに、柔らかに浸透しています。

ゴームカーサナ(牛の顔のポーズ)

ヴィシュヌは、乱れた世界を救い、人に真実を伝えるためにクリシュナという人間の形で現れました。『バガヴァッドギーター』は、アヴァターラが語るヴィシュヌの直接のYogaの教えなのです。

ヴィシュヌの化身クリシュナはある国の王子として生まれましたが、「化身」の出現を恐れた悪魔(ラクシャサ)たちから命を狙われ、牛飼いの家に逃れ、少年時代は牛飼いの子として過ごしました。幼いクリシュナの友であった牛は、インドで聖なる動物とされ、インドでは牛を殺したり食べたりすることはありません。

このポーズは牛の顔を真似たポーズ。牛のように運命に抗わず、与えられていることを淡々と受け止め、焦らず競わずのんびりとする時間をもちましょう。苦しい時こそ流れに逆らわず、ヴィシュヌの流れに乗りましょう。このポーズが心のゆとりを生んでくれるはずです。

正座をしてから、足の右側にお尻を落として座ります。右手は地面に、左手は左足の上に置きます。左の膝を伸ばして足を前に伸ばします。右手で左の足首を持って、右足の上から左足をまわします。左足の側面を地面に付け、息を吐きながら、右手を上から、左手は下から背中にまわし、背中の後ろで手を繋ぎます。息を吸いながら背筋を伸ばして正面を見ます。吸う息で胸を大きく前に広げ、吐く息で肩の力を抜き、顔を柔らかくします。のんびり肩がほぐれ、気持ちが落ち着くまでポーズを維持します。反対も同じ様に繰り返しましょう。

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2016年

10月

03日

40.バガヴァッドギーター ディッビャ・チャクシュ(神聖な目)11-8

知るべき知恵、真実を見る目、自分への革命

人間の肉体にある目では、私の姿「ヴィッシュヴァルーパ(宇宙の全相)」を見ることはできない。だから君に、「ディッビャチャクシュ(知恵の目)」を与えよう。その目を通して、Yogaの力で現れた私の姿をよく見るのだ。

自分以外の何かを変えることはできません。変えられるのは自分の心、考え方や物事の味方だけです。Yogaは外の世界を変えようとしません。他人や世間を責め、不満に思う目を内面にむけ、自分の受け止め方、考え方を変えるのです。Yogaのポーズの練習や呼吸、瞑想は、自分の体と心に向き合うためだけにあります。怒りや苦悩に心が苦しくなるかもしれません。不満を言い、他人を責める前に、静かに一人になる時間を持ちましょう。自分の内を丁寧に見つめ、不自由な思いの原因を探るのです。

マッツャーサナ(魚のポーズ)

南インドには、魚のように澄んだ目をした女神「ミーナークシ」が大事に奉られています。魚のように澄んだ目で世界を心に映すことができれば、そこに隠された知恵が沸き上ってくるといいます。真実の知恵は外にあるのではなく、私たちの中にすでにあるものです。歪んだ見方で自分勝手な思いが真実を隠しているだけです。このポーズでまっすぐに真実を映す魚のようにキレイな目を養い、内なる知恵にアプローチしましょう。

仰向けになり、脚をそろえ、両腕を伸ばし体の下にいれます。手の平を下に向け、肘で床を押しながら、胸の真ん中を天に向かって広げて持ち上げます。首の前を伸ばし、頭のてっぺんを床につけます。口を閉じ、大きく息を吸い込み、胸いっぱいに広げます。吐きながら足の力や肩、体の緊張をほどきます。大きな呼吸を繰り返し、目がすっきりとしてきたところで静かに胸を持ちあげ、頭を床から離してポーズを解放します。

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2016年

10月

04日

41.バガヴァッドギーター ヨーガ(自由に繋がる道)12-9

アシュターンガヨーガ、繰り返しの練習、意志を鍛える

心を「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」ひとつに定め、瞑想することが難しくても、Yogaを繰り返し練習する「アッビャーサ(繰り返しの練習)」によってイーシュヴァラの意味を理解することができるだろう。アルジュナよ。

生き方をYogaにする8つのルール「アシュターンガヨーガ」

●ルール1 5つの「ヤマ(人として避けるべき行い)をしないこと」 ヤマ①アヒンサ=暴力をふるわない ヤマ②サッティア=嘘をつかない ヤマ③アステヤ=盗まない ヤマ④ブランマチャルナ=学ぶべきことを学ぶ ヤマ⑤アパリグラハ=貪欲な欲望に流されない 

●ルール2 「ニヤマ(人として為すべき行い)」を積極的に行うこと ニヤマ①シャウチャ=清潔を保つ ニヤマ②サントーシャ=足るを知る ニヤマ③タパス=規律ある生活 ニヤマ④ソヴァディヤーナ=自分に向き合う ニヤマ⑤イーシュヴァラ・プラニダーナ=祈ること

●ルール3 「アーサナ(姿勢、Yogaのポーズ)」を練習すること

●ルール4 「プラーナーヤーマ(呼吸法)」をすること

●ルール5 「プラティヤハーラ(五感を収めること)」

●ルール6 「ダーラナー(集中すること)」

●ルール7 「ディヤーン(瞑想をすること)」

●ルール8 「サマーディ(深い瞑想状態)」

セートゥバンダーサナ(橋のポーズ)

自分が考えている自分と、真実の自分。2つが繋がった時、人は自分を受け入れ、世界にもっと自由に生きることができるようになります。Yogaは橋のように、本当の自分に、今ある自分を繋げます。橋のポーズで自由へ繋がるYogaの橋を渡りましょう。

仰向けになり、膝を曲げて足の裏を地面につけます。息を吸いながら腰をできるだけ高く持ち上げます。腕を地面に付けたまま真っ直ぐに伸ばし、手の平を合わせ両手を組み合わせます。頭、肩、手、足の裏と頭を地面から離さないようにして、大きく息を吸い込むたびに、腰をさらに高く持ち上げるようにして、お腹中心を伸ばしましょう。

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2016年

10月

05日

42.バガヴァッドギーター ジャガット(世界)12-16

カルマが生み出す世界、自由を生きる、受け入れる強さと広さ

(真実を知る人)は幸せを他の物や状況に頼ることなく、体の外側も、内側の心も清浄であり常に冷静で、知性に曖昧さがなく、恐れがない。その人は、すべての「カルマ(行いとその結果)」から自由であり「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」を理解する者であり、イーシュヴァラの最愛なる者である。

この世界は「ジャガット」と呼ばれます。ジャガットの語源は「ガム(行く、動く)」。動き、前に進み、一瞬も止まることなく変わり続けるもの、それが世界です。ジャガットは、私たちが過去に積んだ「カルマ(行い)」によって巡ります。カルマの結果によって世界は現れ、生物がカルマを消化するために世界は廻るのです。この世界は、私たちがそれぞれに主役を務めるドラマの舞台のようです。過去から未来へ流れ、決して後戻りせず、二度と同じ事が起こることがない変わりゆくドラマ。現われるものに偶然はなく、起こる出来事も登場人物も、すべて因果で繋がり合い、展開も行先もだれにも知られることがないダイナミックで壮大な舞台がジャガットです。

「ブランマン(真実)を知る賢者は、すべての望みを手に入れる」『ウパニシャッド(奥義書、ヴェーダ聖典の最終的な教え)』の中で最も大事な「タイティリーヤ・ウパニシャッド」の冒頭のマントラです。「真実を知る人は、すべての望みを叶える」それはYogaで目指す究極のゴールでもあります。

「タイティリーヤ」とは、「ティッティパ」という鳥の名前が語源。ティッティパという鳥は、小さいながらもたくましく自由に生き、どんなものも食べ、消化することができる強さを持った鳥。事実を知る人は、どんなものも受け入れ、経験を学びとして消化することができ、小さい体に生きながらも、自由にいる人です。ティッティッパの強さと自由が、Yogaを知る賢者のたとえ、”強くたくましく、自由に生きる”そのためにティッティパのポーズを練習してみましょう。

真っ直ぐに立ち、足を軽く左右に開き、前屈して足の前に両手をつきます。右、左腕をそれぞれの膝の後ろ側にまわし、手の平を地面につきます。腕の上を太腿と膝で挟み込むようにし、身体を浮かしてバランスをとります。息を吐きながら、両腕をゆっくりと伸ばし、背筋を伸ばして正面を見ます。

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2016年

10月

06日

43.バガヴァッドギーター バクティ(理解、敬う心)12-17

信じること、理解すること、世界に心を開く、悟りは自由の意味を知ること

真実を知る者は、何に対しても興奮することも、憎むこともしない。悲しみにくれることもなければ、激しい欲望も抱かない。「プンニャ(徳)」と「パーパ(不徳)」というカルマの結果から離れ、常に「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」に心を繋げている。彼は「バクティ(理解、敬う心)」を持つ最も祝福された者である。

Yogaは宗教ではありません。盲目的に信じる事ではなく、Yogaは冷静に真実を理解することです。自分自身の謎を知り、ありのままの世界の真実を知り、自然のあり方を理解する術です。この世のありままの真実を理解し、無知と迷妄と混乱を落とし、迷い、貪り、求め続ける生き方に終止符をうつこと。そして生きながら、自由になること。それが、本来のYogaです。「バクティ」は、他人が決めた信仰の対象や、インドの神々を鵜呑みにし、無心に拝むことではありません。バクティとは、自然の摂理を知り、理解することで沸きあがる敬う心と尊敬を示す態度のことです。

プールヴォーッターナーサ(東側を強く伸ばすポーズ)

胸をオープンにし、世界に自分を開き、バクティを呼び起こすポーズです。世界を恐れ、不安になるとき、背中を丸めて小さく縮まりがちです。しかし、いつだって世界は自分の中にあり、自分と世界は一体であるのです。必要な物はいつでも与えられ、世界は私たちを育ててくれています。不安になるときこそ、胸を開くポーズで呼吸し、世界を信頼し、大きな力に委ねてしまいましょう。

両足を伸ばして座り、両手を腰の10cmほど後ろに指先を前に向けて置きます。お尻から踵を30cmほど離し、膝を曲げます。息を吐きながら両足を押し、両手で床を押して腰を持ち上げます。胴体と腿が床と平行になる位置に、腰の高さを保ったまま、脚を片方ずつ伸ばします。お尻を固くしないようにして、腰を高く持ち上げ、胸を引き上げ、肩甲骨を背中に押して支えます。首をゆっくり後ろに倒しリラックスして呼吸をします。30秒程キープしたらポーズを解放して楽に足を伸ばして体を弛めましょう。

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2016年

10月

07日

44.バガヴァッドギーター バクタ(理解者、敬う人)12-19

真実を見抜く人、すべてを受け入れる、不動の理解

賢者は批判にも賞賛にも変わらぬ態度を示し、言葉を意志のうちに収め、与えられている物に満足する。物や場所への執着や所有欲がなく、「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」の理解に揺らぎがない。彼は「バクタ(理解者、敬う人)」であり、最も愛されるべき人である。

Yogaによって自分を深く知った人は、自分であること以外に幸せの条件を求めません。幸せになるために、何処に行ったり、何かを探し、手に入れる必要はないことを知っています。あるがままの自分と世界を信頼し、肩の力を抜いていつも寛いでいるのです。こんな風に自分を知り、世界を理解している人を「バクタ」といいます。「バクティ(理解、敬う心)」を世界に対して持っている人。感情と主観で歪んだ視点で世界をみることなく、ありのままを受け入れる事ができるビッグな心を持つ人がバクタです。

ヴァシシュターサナ(ヴァシシュタ聖者のポーズ)

このポーズはインドに実在していた聖者ヴァシシュタの名前がつけられています。聖者と呼ばれる人は皆、世界と自分を理解するバクタです。私たちも自分の心の奥に眠るバスタの可能性をこのポーズで呼び覚まし、古の賢者たちが達成したYogaのゴールを目指しましょう。

膝立ちになり、左足を横に伸ばします。身体を右に倒し、右手を地面について身体を支えます。右足を左足に揃え、両脚を真っ直ぐ伸ばします。足から頭までが一直線になるようにして体のバランスを取ったら右手を空高く上げ、胸を張り、体を引き上げます。

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2016年

10月

08日

45.バガヴァッドギーター クシェートラ(体、現された物)13-26

体という”土地”、現わされた物、自分を笑う力

この世に現れ、存在しているすべてのものは、動かぬものも、動くものも含めて「クシェートラ(体、現された物)」と「クシェートラニャ(知の源、現す存在)」との繋がりによって存在しているということを、君は知るべきである。ヴァラタ族の主要なる者アルジュナよ。

Yogaは、この体は私たちが経験する場所に過ぎないといいます。体という場所を通して、私たちは世界と触れ合い、出来事を経験に変えるのです。体は、土地のようにリサイタル可能な場所。使い終わったら土になり、大地に戻ります。だれもがある日、体という場所に、心とパワーを持ってやってきます。そこに宿り、世界を経験し、必要な体験を終えたら、借りていた場所を世界に返します。体は土に分類され、水となり、空気となり、自然を循環し、また次の体を生み出すのです。この体は、私たちのすべてではありません。体は土地であり、場所であり、物質。「クシェートラ」です。

シャラバーサナ(バッタのポーズ)

体の中心で強く大地を感じるポーズです。体を”土地”の位置に近づけ、土からできた重たい体とそれを軽やかに動かしている本当の自分を見てみましょう。

うつ伏せになり、足の甲と顎を地面につけます。腕は身体の下にいれまっすぐ伸ばし、手の平を地面につけます。息を吸いながら、両腕を持ち上げます。40度ほどの高さを保ち、目線は真っ直ぐ前に定めます。手の平と腕、お腹の中心をしっかり下に押し、世界に現れたクシェートラを養っている土台、大地を感じましょう。

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10月

09日

46.バガヴァッドギーター クシェートラニャ(知の根源、体を現す存在)13-33

ただひとつの存在、真実は汚れない、輝きは暗闇を超える

ただひとつの太陽が世界を隅々まで照らしているように、ただひとつの真実である「ブランマン(普遍の存在)」=「アートマン(真我、存在、知)」が世界に現れたすべての「クシェートラ(体、物質)」を照らし出している。

肉体は、空、風、火、水、土の5つの重たい要素でできた、大地のような場所。その場所は「クシェートラ(体、現された物)」と呼ばれ、私たちが外の世界と触れ合う場所であり、経験を生み出す特別な場所です。

アンジャネーヤーサナ(アンジャネーヤ神のポーズ、三日月のポーズ)

「アンジャネーヤ」とはインドの神話「ラーマーヤナ」に出てくる猿と人間の姿で現れた勇者ハヌマーンのもうひとつの名前。アンジャネーヤは、風の神から生まれた強さと自由、友愛のシンボル。愛と勇気に溢れたハートの大きい神様です。その名にちなんだポーズで胸を大きく空に向かって開き、喉、脇、胸、体の前を伸ばし、内から沸く勇気と暖かさを感じてみてください。爽やかに満たされる感覚は、あなたの本質の現れです。

まっすぐ立ち、右足を大きく一歩踏み出し、右足の膝を曲げ、曲げた膝の上に両手を置きます。左の足の甲を地面につけて、お尻を下の方に落とします。両手を合掌し、息を吸いながら両腕を頭上に伸ばし、顔を上げて指先の延長上を見つめます。呼吸を繰り返し、胸を開き、体の重心をさらに下に沈めるようにしましょう。

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2016年

10月

10日

47.バガヴァッドギーター サットヴァ(純質)14-6

喜び・優しさ、知恵を輝かせる質、Yogaのための心と体

人はだれもが3つの「グナ(特徴、特質)」を持っている。その中でも「サットヴァ(純質)」は、純粋な質である。サットヴァは、苦悩を離れ、知性を輝かせる。しかし純粋な質は「スカ(心地よい)」体験と、「知る」という経験に人を縛りつけるものでもある。罪なき者、アルジュナよ。

『ヴェーダ(聖典)』は、人間は「幸せで満ちていることの意味、自由であることの意味」である存在といいます。存在の源、命の根源である私たちの真実は、幸せと自由の結晶のようなもの。そしてサットヴァであるとき、私たちは自分の真実の姿の輝きをそのまま心に映しだします。だから、透明な純度の高い心でいる時、満ちている幸せと、静寂を穏やかさで感じるのです。

バリヴリッタジャーヌシールシャ(体をねじり、頭を膝につけるポーズ)

脇、体の横、普段あまり伸ばすことのない場所をゆっくり、丁寧に呼吸をしながら伸ばしましょう。体の内側の流れがスムーズになり、心地よさと共に、心が穏やかになり、サットヴァな質の広がりを全身に感じるでしょう。

体を垂直にして、両脚を開いて床の上に座ります。左膝を曲げてかかとを左の脚の付け根にぴったりつけます。右膝を立てて、かかとを右腰の少し先へ置きます。息を吐いて右へ体を倒し、右肩の後ろを右膝の内側に押し当てるようにします。右腕の手の平を上にして床の上に置き、体の右側を伸ばし、右の足先をつかみます。左脚を固定し、息を吸いながらゆっくりと右膝を伸ばします。膝を伸ばすに従って、肩の後ろ側が膝の内側にくるようにし、体の横を引き伸ばします。膝がまっすぐになったら、体をねじり、空を見上げます。息を吸って左腕を上へまっすぐ伸ばし、次の吸う息で左耳の後ろから、右足の外側をつかむようにします。両肘を互いに遠ざけるようにして、体をさらに呼吸と共にねじりましょう。ゆっくり呼吸を繰り返し、気持ちのよいところまで維持して、体の内側の流れを充分に感じましょう。

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10月

11日

48.バガヴァッドギーター ラジャス(激質)14-12

貪欲・渇望、悲しみを生む心の質、ラジャスを避けるYoga的生活

貪欲さ、始動、欲望にかられ何かをすること。落ち着きのなさ、野心的な行い、これらは、「ラジャス(激質)」の現れである。バラタ族の主要なる者、アルジュナよ。

「ラジャス」の文字通りの意味は「チリ、埃」。経典では、「ラーガドウェーシャ(好き・嫌い)」の「ラーガ(偏愛)」がラジャスの意味だといいます。本来純粋な心がラジャスという欲望や偏愛という埃に覆われると、真実を見る目が歪み、混乱してしまいます。行きすぎた好きという感情が偏愛や執着を生み、妄想と欲望に心を染めます。そして貪欲に野心的に、ラジャスは人を駆り立てるのです。そしてラジャスは人を終わりない「カルマ(行い)」、輪廻に結びつけます。

クンバカーサナ(プランク・板のポーズ)

心が忙しく、何かを求め、焦り、貪欲に突き進み、走り出しそうになっていたら、それはラジャスが高まっている証拠。そんな時は、外に向かう力を自分の内に留め、内なる強さを高める「クンバカーサナ」が助けとなるでしょう。クンバカとは、壺のように内側に何かを保っておくという意味があります。ラジャスの質によって、力が外に分散してしまうのを防ぎ、強い力を内にしっかり保っておくことができるポーズです。

地面にひざまずき、両手を肩幅に開きます。つま先を立てて膝を上げてください。頭のてっぺんから背中、腰、お尻、かかとのラインを一直線にします。このまま息をできるだけ静かにし、ポーズを保ちます。心が落ち着き、内なる力の高まりを感じたら、新鮮な空気を体の中心に満たしながら、ポーズを解放します。

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2016年

10月

12日

49.バガヴァッドギーター タマス(純質)14-13

怠惰と迷妄、無関心、タマスを抑える生活

鈍さ、不活発さ、怠惰や不注意、迷いは、「タマス(鈍性)」の質が多くなっている時に現れる。クル族の喜びである者、アルジュナよ。

体が休息したり、眠る時に高まる質が「タマス」です。タマスが優勢になることで、人は休むことができます。しかし、多すぎるタマスはYogaの達成を妨げてしまいます。タマスな質が多くなりすぎると、人は重く、鈍く、不活発に、無関心になります。そして、タマスの質を多く持ったまま、体を手放せば、次の生は迷妄の中に佇む不活動な生物に生まれ変わるともいわれます。

サーランバシールシャーサナ(頭で立つポーズ、三点倒立)

だれにもタマスが高まり、やる気が出ず、だらだら怠惰に過ごしてしまう時があります。そんな時は、体を大胆に逆転させ、大きな刺激を与えましょう。頭に豊かな血液を送り、心を活発にしながら、視点を変える逆転のポーズが有効です。タマスの高まりに気がつく度に、気軽に壁を使って練習するようにしてみます。壁から少し離れ、頭で立つポーズ「シールシャーサナ」をします。

頭のてっぺんをしっかり地面につけておきましょう。お腹に力をいれ、体の軸を定めてから、手の位置を変えてみます。頭の横に両掌を床につけるようにします。手の位置を変えることで、体のバランスに注意深くなり、体を繊細に丁寧に動かすことでタマスを抑えることができます。逆さになって血流があがることで、自然と心も体もやる気がみなぎり、エネルギーが高まります。やる気が出ない時、タマスの高まりから抜け出したい時、逆転のYogaのポーズは心と体をリフレッシュさせるためにとても効果的です。

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2016年

10月

13日

50.バガヴァッドギーター グナ(質)14-19

物の特徴、物と命の違い、真実を極める賢さ

自分を”行いをする者”と考える人は、3つの「グナ(特徴、特質)」に囚われている。自分の真実は”行いをする者”ではないと見抜く人は、3つのグナを超え、「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」に至る。

世界に現れたものはすべて、3つの「グナ」を持っています。「サットヴァ(純質)」「ラジャス(激質)」「タマス(鈍性)」。世界に現された物質、私たちの体も、感覚も、心もすべてがこの3つのグナからできています。世界にいろいろなものがあるのは、この3つのグナのバランスが違うからです。

トーラーサナ(天秤のポーズ)

体・感覚・心にある3つのグナは常に変わっていきます。毎日の活動によってラジャスが高まったり、タマスが優勢になったりします。Yogaをする上で大事なのは、自然の丁度いいバランスを保つこと。それがあるがままで健やかにいられる秘訣です。よいバランスを保つために、バランスのポーズ「トーラ(天秤)」アーサナで体・感覚・心を整えましょう。

「パドマアーサナ(蓮華座)」で坐ります。右膝を折り、右足を左腿の付け根におきます。次に左膝を折り、右脚の上にクロスさせて、左足を右腿の付け根におきます。両手で床を支え、息を吐きながらしっかり床を押して、体を持ち上げます。お腹の中心に力をいれて膝を高く持ち上げるようにして、中心から全バランスが取れていくのを感じ、ポーズを保持します。

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2016年

10月

14日

51.バガヴァッドギーター アースラ(悪魔的な性質)16-21

欲望は苦しみへ繋がる扉、欲望を捨て去る、物の価値

3つの扉を通して、人は痛みと苦しみの経験が待ち受ける世界へと入る。その扉は、自分自身を破壊することに繋がる。それらは、欲望、怒り、貪欲さである。人はこの3つの質を手放すべきである。

「欲望、怒り、貪欲さ」この3つは人を苦痛へ導く扉です。その入り口に一歩でも踏み込めば、罠にかかった動物のように、あっという間に混乱にハマり込み、苦しみへ滑るように落ちてしまいます。人は苦しみに苛まされると、Yogaをすることも、Yogaのゴール「モークシャ(悟り・自由)」を求めることも、「本当は何かがしたいのか?」という人生を通してのヴィジョンを描くことも忘れてしまいます。苦しみと混乱は人から思慮深さを奪うのです。

ウッティターハスタパーダングシュターサナ(足の親指を掴んで伸ばすポーズ)

脚を真っ直ぐ大地に立てて、前を向いて胸を張り、強さとバランス感覚を養うポーズです。外の物や状況に気持ちを乱されそうな時、弱気になっているときは、強いポーズで体を表現することによって、強さを本物にすることができます。

まっすぐ立ち、左手を腰に当てて、右膝を曲げて、右足を前方に高く上げます。右足の親指を右手の親指と人差し指で掴み、右膝を真っ直ぐに伸ばしてください。胸を張り、堂々とした姿勢で頭、首、背中を一直線にしてゆっくり呼吸して気持ちを整えます。反対側も同じ様に行いましょう。堂々と胸を張り、真っ直ぐに立ち、様々な物の欲望や誘惑に超然とした態度でいることです。主観的な思いから飛び立ち、大きく自由へとジャンプできるはずです。

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2016年

10月

15日

52.バガヴァッドギーター ヴェーダ(聖典)17-24

人を自由にする教え、「オーム」の意味、浄化の音

「オーム(聖音)」と唱えてから儀式、寄付、修業という活動を始めること。それは『ヴェーダ(聖典)』で定められたルールであり、『ヴェーダ』を理解する者たちは、常にこのルールに従い、行いをしている。

Yogaのルーツは世界最古の聖典『ヴェーダ』にあります。哲学、生き方、儀式、マントラ、祈り、瞑想、Yogaについてのコンセプトはすべてこの『ヴェーダ』がベースです。『ヴェーダ』の語源は、知る=「ヴィド」。人が知るべき知恵のすべてが記されているといわれます。

ウッティタームダダヌーラーサナ(半弓のポーズ)

『ヴェーダ(聖典)』の初めと終わりでもある神聖な言葉「オーム」とともに、Yogaをすることで心と体は一層しなやかになり、重さやモヤモヤした状態から解放されます。このポーズは、体の前面をすべて開くポーズ。聖音と共に行い、体と心を開くことで、本来の自分の強さ、優しさが発揮できるはずです。

仰向けに寝て膝を肩幅に開き、膝を立てます。肘を曲げて両手の平を頭の近くの床に指先が肩を向くようにおきます。お尻を硬くしないように、ゆっくり床からお尻を持ち上げます。両手と両足で強く床を押し、まずは頭のてっぺんを床につけます。さらに体を持ち上げられそうなら、お尻を高く持ち上げ、頭を床から浮かせ、腕を伸ばします。首を楽にして、大きく10回ほど呼吸してポーズを解放します。

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2016年

10月

17日

53.バガヴァッドギーター ティヤーガ(手放すこと、捨離)18-11

こだわらない、信頼と理解、自由と寛ぎ

「自分とは、この体のことである」と思っている人が、「カルマ(行い)」を手放すことは不可能である。しかし、カルマの結果に対するこだわりを手放すことができれば、カルマから「ティーヤーギー(自由な人)」となるだろう。

行いの結果として、どんなことが世界から与えられても、「まーこれも自分の撒いた種の結果が実を結んだな」と、淡々と受け入れること。興奮したり、結果にしがみつき執着したり、ゴチャゴチャ不満をいったり、逃げたり、抵抗するこだわりをさっぱりと捨て去ってしまえば、人はカルマの結果から自由になることができるといいます。

ウッターナパーダーサナ(脚を伸ばした魚のポーズ)

何かにこだわり、執着して、自分が閉じているように感じる時はこのポーズで、思い切り体を開いてみます。オープンな解放感とともに、内なる力を強く感じることができるはずです。

仰向けに寝て、脚を伸ばし、両腕を体の下に、手の平を床に向けてお尻の下に置きます。息を吸いながら胸の中心を高く持ち上げ、顎を天に向けて上げ、首を頭のてっぺんを床につけ、魚のポーズ「マッツシアーサナ」になります。そこから両足を40度床から持ち上げて伸ばし、両手も同じ角度で脚の方向に伸ばします。胸をさらに開いて持ち上げるようにし、深く大きく鼻から呼吸を繰り返します。

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2016年

10月

18日

54.バガヴァッドギーター パンチャカーラナーニ(行いの5つの要素)18-14

行いからの解放、『バガヴァッドギーター』の願い、Yogaに生きる意味

①肉体②行いをするための意志③行いのための手段と方法④5つの感覚、5つの「プラーナ(エネルギー)」、5つの体の機能そして⑤それら4つを秩序正しく動かす法則=「デーヴァター(神々)」。この5つが「カルマ(行い)」を果たすための5つの要素である。

『バガヴァッドギーター』は、人々の気持ちに応えるために、「カルマ(行い)」について教えます。そして、人を自由にするためにカルマを教え、カルマから自由になる方法としてYogaを教えます。経典がカルマを教える狙いは、カルマのカラクリを教えることで、人に真実を悟らせること。その人に、本当の姿を見せ、人間の真実はカルマに縛られない存在の源である、と解らせることにあります。真実を理解することで、人は永遠の自由に解放されることができるからです。

ヴィーラバッドラーサナ③(戦士のポーズ③)

『バガヴァッドギーター』は戦場で苦悩する戦士アルジュナに伝えられた教えです。最終的に戦士アルジュナは教えを悟り、なぜ自分が戦わねばならないのか?生きる目的と意味を知り、自分が果たすべきことに立ち向かいます。困難の中でも、すべてを受け止められることが、本当の強さであり、自由である事。生きる目的である「永遠の自由」は今自分に課された事を果たし、Yogaの精神で生きることでのみ可能になると知ったからです。アルジュナは最後に教えに意味を悟り、世界の現実と自分の立場を受け入れ、それを超える真実のために戦うことを決意したのです。『バガヴァッドギーター』の教えは、まるで戦場のような世界に生きる私たちを解放します。人の生きる目的とゴールは、いつの時代もどんな場所でも同じです。経典の教えは、今も古びることなく、真実を求める人の心に響くのです。最後に戦士のポーズをとって、Yogaに生きるあなたの強さと勇気を確かな形にしましょう。

足を大きく開き、右足のかかとと左足のつま先で、直角をつくるように左足を外側に向けます。左右に腕を伸ばし、息を吐きながら、左の膝を曲げ、体を真っ直ぐにしたまま、重心を下げます。左の太腿が床と平行になるまで膝を曲げ、左手の指先を見つめます。 (戦士のポーズ①)

そのポーズのまま、右足を内側に45度向けます。上半身を左に向け、腰を前に出します。体は真っ直ぐにしたまま、息を吸い両腕を頭上に上げ合掌します。左の膝をさらに曲げ、右脚は伸ばしたももしっかり踏み込み、上体を沈めます。目線は合掌した両手の指先です。(戦士のポーズ②

ここからさらに左足に全体重をのせます。体重がのったら、後ろになっている右脚を床から離します。上半身を前に倒し、両腕も前方に。腕、上体、右脚を床から並行の一直線にします。(戦士のポーズ③

これが3つの戦士のポーズ完結編。しっかり脚を大地に踏み込み、逆境やピンチにこそ立ち向かう時!とすべてを受け入れ、チャンスにかえる自由の目指すYogaの戦士として怯むことなく前に進んでいきましょう。

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