ヨーガ・スートラ4-34

【4-34】 独存位とは、真我のためという目標のなくなった三徳が、自分の本源へ没入し去ることである。あるいは、純粋精神なる真我が自体に安住することだ、といってもよい。

Liberation (kaivalya) fulfills the goal the true self (purusha) ; matter (guna) is transcended. The true nature of being and the force of absolute knowledge are then revealed.||34||

 

<解説>サーンキャ・ヨーガの思想では、独存位すなわち解脱は両面から説明されるのが常である。

一つは、三徳すなわち自性の面からの説明で、三徳が自性から覚、覚から我慢へと転々と展開する転変の運動を捨てて、逆に自性へ向かって還りゆく運動を起こし、終に自性の中へ没入し去った状態のことであるとせられる。

他の一つは、真我の面からの説明で、真我が三徳の転変に関わることをやめて、自己本体の在り方に安住する(pratistha)ことが解脱であるとせられる(3-55註参照)。