ヨーガスートラ3-13

[転変の機構]

【3-13】 以上の転変の解説によって、物質元素と感官とに関する法(現象)、時間的位相、様態の三種の転変も説明されたわけである。

This explains the transformation of relinquishment (dharma-parinama), characteristics (lakshana-parinama) and states into material elements of the senses. ||13||

 

<解説>①この一経の文章は曖昧であるが、転変の理論を物質元素と感官についても明らかにしようとしたものであろう。3-9,10,11,12までの経文は意(マナス)に関する転変を明らかにしたが、同じ理論は物質元素や感官の転変についても適用され得るはずである。そういう意味で、転変のすべてが説明され終わったわけである、というのがこの経の主旨であろう。ところが、ここでは転変をさらに分析して、三種の転変としている。さきに述べたように(3-9参照)、物質、精神の両面にわたっていっさいの事象は、有法(実体)の転変によって顕現するが、この転変は三種の転変からなっている。三種の転変とは法(現象態)1)時間的位相2)様態3)とによる転変のことである。

 

<解説>②この三転変の内容をわかり易いたとえを以て説明しよう。陶器をつくる材料の粘土を有法すなわち実体としよう。この粘土が一つの土団子の形で陶工の渡され、陶工がこれを壺の形に仕上げたとすれば、粘土は土団子の法(現象態)をすてて壺の形を得たということになる。これが法転変(dharma-parinama)である。ところでインド的な考え方からいえば、壺の法そのものは生じも滅しもせず、粘土の法の一つとしていつも潜在的に存在するが、それが壺として経験の世界へ姿を顕わすには、未来、現在、過去の三つの時間関係(adhvan)において、未来の位置をすてて、現在の位置を手に入れなければならない。これが、時間的位相の転変(laksana-parinama)とよばれるものである。さらに、もう一つの条件がある。それは、現在時の位相をもち、現在壺の姿を保っている陶器も刻々と古びてゆき、形を変えつつある。これが様態の転変(avastha-parinama)ということである。

 

<解説>③サーンキャ・ヨーガの哲学から言えば、真我以外のすべての存在は三徳によって成り立つものであるから、一刹那といえども転変から離れはしないのである。この三種の転変は、別々に行われるのではなく、同時に相関連して行われるから、実はただ一つの転変があるだけである。我々が現実に経験するのは、様態としての事物に外ならない。

ところで、ここで経文が転変についての一般論を展開したのは、3-16以下で神通力の獲得を紹介するための伏線であるように思われる。(本書251頁以下参照)

コメントをお書きください

コメント: 3
  • #1

    Bethany Coombs (木曜日, 02 2月 2017 20:30)


    I really like your blog.. very nice colors & theme. Did you make this website yourself or did you hire someone to do it for you? Plz reply as I'm looking to construct my own blog and would like to find out where u got this from. cheers

  • #2

    Johnathan Maggio (金曜日, 03 2月 2017 01:19)


    Wonderful, what a webpage it is! This webpage gives valuable facts to us, keep it up.

  • #3

    Connie Avans (金曜日, 03 2月 2017 22:58)


    Great work! That is the kind of information that are meant to be shared around the internet. Disgrace on Google for no longer positioning this post upper! Come on over and consult with my web site . Thank you =)