ヨーガ・スートラ2-12

【業】
[2-12] 業遺存は、煩悩を根因とし、現世において、あるいは他生において感知され得る。

Obstacles (kleshas) are the breeding ground for tendencies that give rise to actions and the consequences (karma) thereof. Such obstacles are experienced as visible or invisible obstacles. ||12||

 

<解説>①業遺存(karma-asaya=カルマ アーサヤ)については、前にもふれている(1-24註)。業遺存は行(samskara=サンスカーラ)の一種である。業遺存の原因となる善悪の行為または思想はいろいろな煩悩を根因として発生するものであるから、その潜在的残存印象たる業遺存もまた煩悩を根因とするわけである。

 

<解説>②この業遺存はやがて、業報(vipaka=ヴィカーパ)を生むが、業報として結実するのに二様の場合がある。一つは、善または悪の行為が強度の熱心さを以て行われた時、その業遺存が即座に、この現世(drsta-janma)において善または悪の結果を現わすという場合である。他の一つは、行為がそれほど強烈なものでない時、次生以後の転生において業遺存が業報を現わすという場合である。仏教では三時業を区別する。順現受業、順次受業、順後受業の三種である。