ヨーガ・スートラ1-48

[1-48] 内面の静澄が生じたならば、そこに真理のみを保有する直観智が発現する。

- Then consciousness will be filled with truth. ||48||

 

<解説>真理のみを保有するという語のリタムバラ(rtambhara)はこの場合の直観智(prajna=プラジュニャー)の名称だとされている。仏教などでも、例えば大円鏡智などというように、悟りの智にいろいろな名称をつける。それによって真智の内容の特殊性を示そうとするのである。ここで真理という語のリタ(rta)はインド・ゲルマン時代からの古い経歴をもつ語である。リグ・ヴェーダでは、この語は「神の秩序」「永久不変の法則」などを意味したが、転じて「真理」「真実」(satya=サティア)を意味するようになる。