ヨーガ・スートラ1-46

[有種子三昧]
[1-46] 以上が有種子三昧である。

All of these states of consciousness are called sabija samadhi. ||46||

 

<解説>有種子(sa-bija=サビージャ)という語の意味は、三様に解釈されている。一つには、外的実在(bahir-vastu)すなわち客体を対象に持つという意味、二には、一般に対象を有する意味、三には、未だ究極の真智に達していないから輪廻の世界の束縛の因子を残しているという意味である。有種子三昧という語は、有想三昧という語と区別して用いられているように見える。有種子三昧は、この経文で有尋、無尋、有伺、無伺の四つの禅定の総称ということになっているのに対して、有想三昧は本経1-17によって有尋、有伺、有楽、有我想の四種と計算されているからである。ある註釈家は、両者を混合して、有尋、無尋、有伺、無伺、有楽、唯楽、有我想、唯我想の八定を以て有想三昧としている。禅定の分類にはいろいろな仕方があったことが考えられる。