ヨーガ・スートラ1-13

[1-13] この二つの止滅のうち、修習(しゅうじゅう)とは、心のはたらきの静止をめざす努力のことである。

Assiduousness means resoulutely adhering to one's practice of yoga. ||13||

 

<解説>静止(sthiti=ステイティ)というのは心(チッタ)がそのはたらきをなくして、心の流れが停止した状態をいうのであるが、しかし、ヨーガ哲学からいえば、心のエネルギーのダイナミックな転変(parinama)までがなくなるのではない。ある註釈家は、静止を仏教でいう心一境性(citta-ekagrata=しんいっきょうせい)すなわち注意が一つの対境(対象物)の上に不動にとどまっている状態と解している。これは究極的な静止状態ではない。