ヨーガ・スートラ3-39

【3-39】 綜制の修習によって、ウダーナ気を克服したならば、水、泥、刺(とげ)などにわずらわされず、また容易にそこから脱出することができる。

Gaining mastery over upaward flowing energy (udana-vaya) severs contact with nud, watar, thorns and the like; whereupon the yogi levitates. ||39||

 

<解説>①ウダーナ(udana)というのは、いわゆる五気(プラーナ)の一つである。このウダーナに対して綜制するならば、海や泥沼の中に落ちても沈まず、刺を踏んづけてもけがをせず、楽々とそこから脱出することができる。というのは、ウダーナを使いこなせると、身体を軽く浮き上がらせることができるからである。

 

<解説>②五気というのは、十三の心理器官全体の共同のはたらきである生命(jiva=ジーヴァ)の五つの活動様式である。五つの気をいうのは

(1)プラーナ(prana)~鼻頭から心臓までの間にとどまり、生気を運ぶはたらきをする

(2)サマーナ(samana)~心臓から臍までの間にとどまり、食べたものを消化して平等に配達する

(3)アパーナ(apana)~臍から足の裏までの間にとどまり、身体の汚れをとり去る

(4)ウダーナ(udana)~鼻頭から頭までの間にとどまり、上昇の原因である

(5)ヴィアーナ(vyana)は全身にゆきわたっている。

この五気の中で、プラーナが最もすぐれているから五気を総称してプラーナ(生気)という。さて、その中のウダーナは上方にあげるはたらきをするから、これを自由に使いこなせれば、身体を軽く浮き上がらせることによって、海や泥沼などから抜け出すこともできる。がまた、ウダーナは生命を引き上げて死を招くはたらきをするから、これを支配すれば、意のままに死ぬこともできる。