ヨーガ・スートラ2-49

〔調気法〕

【2-49】 さて、坐りがととのったところで、調気を行ずる。調気とはあらい呼吸の流れを絶ちきってしまうことである。

Once harmony with the physical body has been achieved, through interruption of the movement engendered by inhaling and exhaling you attempt to harmonize your energy (pranayama). ||49||

 

<解説>調気法(pranayama)を定義して、あらい呼吸の流れを絶ちきることであるというのである。あらい呼吸(svasa-prasvasa)は前に(1-31)手足のふるえなどと並べて、心の散動状態の随伴現象として挙げられている。調気を定義するのに、われわれの通例の呼吸の仕方をやめてしまうという面をとりあげたのは面白い。われわれの日常の呼吸は、短くて、不ぞろいである。ある人の書いたものによると、ヨーロッパ人は通常、1分間に30回の呼吸をなし、かつ長短まことに不均等であるという。この短くて、不ぞろいな呼吸をゆるやかでリズミカルなものにすることが、調気の外部的な特長である。元来プラーナというのは、息のことではなくて、身体の中や大気中にある生命の素である。宇宙的生命エネルギーと解してもよい。呼吸の息がプラーナではなくて呼吸させるものがプラーナなのである。このプラーナは、もとは吸う息の中に含まれて身体の中へ入ってきたものである(1-34参照)。